日本電気は3月2日、中国の大手医薬品流通卸会社、九州通医薬集団(九州通)に、温度センサー付きのRFID(無線ICタグ)を活用した、商品の物流過程で品質を管理する温度トレーサビリティシステムを納入したと発表した。
今回の導入は、医薬品の流通時の品質管理の向上による競争力強化が目的。導入したシステムは、温度センサー付きのICタグを装着した専用箱に医薬品を入れて出庫。輸送中の温度データをICタグに測定・記録する。
これで従来は荷物の到着時に従業員が手作業でチェックしていた情報を、RFIDリーダーライターで数秒で収集できるようになった。この情報を温度分析データベースに保存し、課題の発見や保冷材、運送ルートの変更など業務の改善に活用する。
九州通は手始めにワクチンや血液製剤など、高価で厳密な温度管理が必要な医薬品からシステムの使用を開始。今後2年間で、同社の全国34か所の拠点にシステムを展開し、1500個のICタグを利用する。
将来的には、アクティブタグとGPRSを利用し、RFIDから送られた物流時の急な温度変化などの異常検知のアラームをセンターから即時にドライバーに送信することを計画している。