(株)住友倉庫は、住友倉庫グループが物流事業と不動産事業を両輪としつつ一段と飛躍するため、平成18年度(2006年度)から平成22年度(2010年度)までの中期経営計画「経営戦略2010」を策定した。
住友倉庫グループは、「物流と不動産のソリューション・プロバイダー」として、お客様の新たな価値創造を、物流面からサポートするとともに、長期的視点に基づく良質な不動産開発を推進し、企業価値の最大化を図り、株主・投資家の皆様のご期待にお応えするとともに、経済の成長と地域発展による社会価値の増大に貢献する。
(1)ソリューション志向の徹底
お客様のサプライチェーン全体の最適化に向け、グローバルな視点から、ハードとソフトを効果的に組み合わせた物流効率化を提案し実現する、「ソリューション志向」を更に徹底する。
(2)事業間のシナジーを活かした資産の最適活用
中期経営計画は、平成18年度を開始年度、平成22年度を最終年度とする5か年計画とし、平成22年度目標は、連結営業収益1,300億円、連結営業利益110億円、ROE6.2%を見込んでいる。
重点戦略
(1)強みを融合した最適ソリューションの提供
「サプライチェーン全体の在庫管理能力」、「倉庫・コンテナターミナルなどの国内外の物流インフラ」、「グローバルな物流の構築・運営能力」など、住友倉庫グループの強みを融合し、お客様にとっての最適なソリューション提供に一層注力する。
①配送センター業務の強化
②お客様の情報システムとのネットワーク化の推進
③最適ソリューションの立案・遂行能力を一段と強化するための組織・業務体制の再編
(2)中国・東南アジアをはじめとした海外ビジネスの拡充
企業活動が生産・販売ともにグローバル化しており、サプライチェーンのなかで海外、とりわけ中国・東南アジアの重要性が、より増していくものと考えられる。
住友倉庫グループは、中国・東南アジアをはじめとする国際物流ネットワークを強化し、欧米などの既存拠点とも連携した海外ビジネスを更に拡充する。
①中国沿海部を中心に、アジアや東欧などにおける海外拠点の新設
②今後も増加することが見込まれる中国・東南アジアと欧米間の輸送など、海外間物流サービスへの一層の注力
③メーカーの部品調達物流を代行するVMI(Vendor Managed Inventory)倉庫事業など、情報技術を駆使したグローバルな物流サービスの強化
(3)保有資産の最適活用
経済情勢や環境の変化に対応して、保有資産および新規取得資産の最適な活用を図り、資産効率の向上に努める。
不動産物件については、物流事業と不動産事業とのシナジー効果が最大限に発揮できるよう、立地条件に応じて、お客様にとって最適な物流施設、商業施設、賃貸ビルや住宅などの開発を推進する。
①首都圏への重点投資による倉庫施設の再配置
②物流施設や商業施設など、不動産開発の推進
(4)経営基盤の強化など
経営基盤をより強固にするとともに、株主還元の充実に努める。
①コーポレート・ガバナンスの一層の整備による公正かつ透明な経営の推進
②コンプライアンス経営の実践とリスクマネジメントの強化