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バンテック/日立物流の公開買付けに賛同、上場は維持

2011年03月09日/3PL・物流企業

バンテックは3月9日開催の取締役会で、日立物流による公開買付けが、今後のさらなる成長・発展と企業価値の向上に資すると判断し、取締役全員の一致で、公開買付けに賛同する表明を決議した。

同社は、1954年1月に日産自動車の物流子会社として設立された旧バンテックと1976年6月に東急電鉄グループにより設立された旧東急エアカーゴが、2005年3月に経営統合している。

自動車部品輸送を中心としたロジスティクスと航空・海上フォワーディングの二つを事業の柱とする総合物流会社として、グローバルな物流業務を展開している。

自動車部品物流では、フォワーディングとして世界各地に拠点を拡大して企業向け国際物流を展開しており、主力事業である自動車部品物流における海外市場での展開の加速、非自動車分野における国内3PL大型案件の受注拡大に取り組んでいる。

2010年6月末頃、バンテックの大株主より新たなパートナーを検討する旨の連絡を受けた。大株主は、2010年9月頃から、株式の売却を含む資本政策について日立物流を含む複数の企業と協議を重ねていた。

これを受けて同社では、ファイナンシャルアドバイザーであるGCAアドバイザリー、リーガルアドバイザーである中村・角田・松本法律事務所より助言を受けながら大株主と協議を重ねていた。

買付候補者の選定プロセスにおいて各候補が提示した条件について検討を行い、当該各候補が提示する条件のうち中長期視点で、バンテックの企業価値向上に資すると判断した。

さらに、日立物流との間で、今後の更なる企業成長戦略とシナジー効果等を協議し、検討を重ねた結果、持続的な成長と発展、企業価値の向上に資するものと判断し、本公開買付けに賛同する決議をした。

日立物流は、公開買付け後のバンテックの取締役の処遇や現取締役会の構成について、要望を検討しながら本公開買付け後に決定するとし、若干名の取締役の派遣をする予定。

現時点において、商号、事業内容と従業員の雇用・処遇に重大な変更を加えることは予定していないとしている。また、現時点において、公開買付けにより取得する株式を継続保有する予定と。

日立物流を親会社として、自動車部品物流におけるプラットフォーム化による国内深耕・拡大、非自動車分野での協業による営業力強化、両社グローバルネットワーク共有による効率的運用と基盤強化(中国、アジア、北米、欧州)、未進出エリア(中東欧、南米等)への展開のための両社プロジェクトを設置していくことにより、他社とのアライアンスの可能性も含めて、中長期的な企業価値の増大を図ることができるものと判断した。

なお、今回の買付けは上場廃止を目的にしたものではなく、現時点において、買付け後も上場が維持される見込み。

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