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日通総研/2011年度上期の国内貨物総輸送量、震災の影響で6%減

2011年09月28日/調査・統計

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日通総研は9月28日、2011年度の経済と貨物輸送の見通し(改訂)を発表した。

見通しによると、国内貨物輸送では、2011年度の国内貨物総輸送量は、上期は、東日本大震災の影響を大きく受けるかたちで6%近いマイナスで推移し、下期に入り、生産や消費の回復などを背景に、徐々に持ち直していくものとみている。

ただし、復興需要の発生が後ズレするなかで、総輸送量がプラスに転換するのは1~3月期と予測され、年度全体では3.6%減と12年連続のマイナスが避けられないとしている。

品類別にみると、消費関連貨物は、個人消費の低迷に加え、前年度に大幅に増加した水物等の反動減もあって、3%台半ばの減少となろう。

生産関連貨物は、上期については、サプライチェーンの寸断等に伴う生産活動の停滞や設備投資の不調などにより、多くの品目において低調な動きとなった模様だが、生産活動の回復を受けて、下期には小幅ながら増加に転じる。

ただし、上期における落ち込みを補うには至らず、年度全体では2%程度の減少を見込む。建設関連貨物は、公共投資と住宅投資のプラスへの反転が期待できるものの、被災地での復興需要の発生時期や規模が不透明なことなどから、5%強のマイナスを予測している。

輸送機関別では、JRは、コンテナ・車扱とも、震災や台風・長雨といった輸送障害の影響を受け、上期は1割前後のマイナスとなったが、下期には両者ともプラスに転じるものとみられ、年度全体では2.9%減と見込まれる。また、その他の鉄道も、震災の影響等により5.7%減となるとしている。

営業用自動車は、上期に5%近く減少したあと、下期には生産関連・消費関連貨物の持ち直しが期待できることから、年度全体では2.1%のマイナスにとどまる。

自家用自動車は、主力である建設関連貨物が停滞するため、6.2%減と全輸送機関のなかでもっともマイナス幅が大きくなりそうである。

内航海運は、前年度に大きく伸びた鉄鋼、化学製品、石灰石などの反動減が予測される一方、石油製品やセメントなどの増加を受けて、全体では2.3%減に。国内航空は、供給力の低下に伴う輸送量の大幅な減少などにより、5.1%減と引き続き低迷するとしている。

そのほか、国際貨物輸送では、東日本大震災に伴う生産、出荷機能の低下により、4~6月期に前年度割れを余儀なくされた外貿コンテナ貨物(主要9港)の輸出は、自動車部品などのサプライチェーンの回復を受け、7月にはほぼ前年度水準まで持ち直し、夏場の電力不足に伴う影響も軽微であったことから、7~9月期はプラスに転じた模様である。

下期は引き続き回復軌道を辿るものとみられるが、世界経済の減速と超円高傾向を反映して増勢はマイルドとなり、2011年度全体では0.2%増と僅かな成長にとどまる、としている。

企業物流短期動向調査(速報)では、2011年7~9月実績(見込み)の国内向け出荷量「荷動き指数」は+1と、前期(4~6月)実績より22ポイント上昇。また、10~12月見通しでは、さらに4ポイント上昇して+5まで浮上する見通しであり、荷動きはほぼ前年度水準まで戻りつつあるとしている。

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