繰り返すようですが、物流子会社の強みは、売上げのベースがすでにあるというところです。
これは見える強みですが、見えない強みは人間関係・会社関係の達人だということです。
ビジネスにおいて、その仕事が向いているかどうかということより大切なことは、信用があるということです。
そして物流を担っているということは、やはりどうしても人情とか男気とかが、その根底になっています。いざという時、ドロを被れる人です。
1.何かひとつ、突出しておく
『○○が得意の○○さん』と言われるまで、世の中に認められるまで、とことん極める。頭ひとつリードしておくことです。
2.来週までに一輪車に乗れるようにすること
理論だけ教わって何もしない、というのはよくないです。今日明日は無理でも、1週間くらいの時間を与えれば、身体のあちこちを傷だらけにしてでも、マスターしてくる人。他に受け入れられる人です。
3.ある大工の話
とある修理を頼まれた大工が、一カ所だけ釘をトントンと打って、修理代10万円を請求してきたという話。釘を打つ位で何でそんな高いんだ?と質問したところ、たしかに釘を打つだけなら5千円ですが、その打つところを的確に探り当てるスキルが9万5千円ですとのこと。
この大工に倣い、経験に裏付けされた予測するという眼力を鍛えておくことです。それには失敗を重ねることです。
近い将来、あなたの所属する会社は無くなってしまうでしょう。無くならなくても、あなたの居場所は保証されません。だったら、まだ席のある内に、失敗をしておくことです。
大丈夫です。社員の失敗をなんとかするのが、会社というものです。
4.目標はいらない
組織も個人も、目標、目標。目標が無意味だとは言いません。年に一度、元旦にでも目標と現ポジションが確認できれは、それで充分です。今、大事なのは、この一瞬です。
目の前にある仕事に時間と手間ひまを惜しまない癖をつけることです。
「好き」はあとから追ってきますし、「大義名分」はあとから振り返って取って付ければいいのです。
5.仕事の任せ方という根源的な課題
成功する人の必須科目です。徳川家康はこの能力だけで天下を手に入れ、治めたのです。
6.本気にならざるを得ない状況に追い込まれる
これは親会社やボスの言いつけを守るとか、ビジネス上の約束を守るとか、そういうことです。
やれないと、クビになるとか、取り引き停止になるとかで、命と引き換えに頑張るということです。無理難題に必死になって応える、艱難辛苦に耐えるということです。
あたり前のことでしょうが、多くの人はイザとなったら逃げるのです。どうか、自分に負けないでください。
とはいえこの文章を読んでいる方は、おそらく、それを何度となく乗り越えてきた経験のある方だと思います。社名が変わってしまっても、胸を張っていて良いのではないでしょうか。(おわり)
■執筆:江島裕氏(ロジスティクス&ビジョン代表)
■ロジスティクス&ビジョン
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