ARCは8月13日、「倉庫管理システム(WMS)の世界市場動向調査」市場調査レポートを公表した。
<WMS市場の伸び>
WMSの世界市場は、2012年に8%伸びた。成熟市場も新興市場もともに伸長し、更新が成熟市場における伸びの大部分を占めていた。
今後の伸びる要因として、WMS付加モジュールの導入、サプライチェーン実行プラットフォームによりもたらされる効果を期待した追加更新、オムニチャネル・リテイル・パラダイムによりもたらされる需要の増加などがある。
オムニチャネル型の小売業者は、従来型のブリック・アンド・モルタルの販売網とeコマースの販売網とを統合している。
従来型の倉庫は、eコマースの受注から入金までの一連の処理(フルフィルメント)上の個別項目処理要求に対処するためのWMSの機能には対応できていない。
オムニチャネル・リテイル・パラダイムは、小売り、ブランドのあるアパレル会社、3PLからの、WMSソリューションに対する需要を増加させている。
従来は店舗への商品補充に重点があった小売り倉庫は、eコマースに重点を置いた新しい領域へと変化してきている。
小売業者も、店舗内の在庫をより正確に把握し、発注や補充の選択肢を広げるために、店舗内WMSソリューションを購入している。
自社のウェブサイトを通して消費者に直接販売しているブランドを持つ多くのアパレル会社は、彼らの配送活動全体を支援するためにWMSを購入している。
eコマースの進展も、このチャネルを支援するために3PLへの外部委託の増加につながっており、3PLの多くはeコマース・フルフィルメントに特化した配送センタを構築しているためとみている。
専業システムおよびERPプロバイダは、統合サプライチェーン実行プラットフォームが提供する効果を喧伝している。
統合サプライチェーンプラットフォームの効果は、各業務のサイロ化の排除、情報を収集・集約・共有する機能、情報の改善によってもたらされる包括的な経営や解析の側面、からもたらされる。
ARCはこれらの効果は、迅速な更新や導入からもたらされるTCOの低減の可能性と組み合わさって、近い将来のWMSソリューションの販売増加に寄与すると予測している。