ジョーンズラングラサールは12月10日、社内に物流コンサルティング部を新設し、今後の展開と方針を発表した。
<左からリチャード・トンプソンアメリカ大陸統括責任者、鈴木博之事業部長、河西利信社長>
サプライチェーン・マネジメント専門のコンサルティング会社を12月2日付で買収したことで、社内にサプライチェーン&ロジスティクスコンサルティング事業部を発足させたもの。
河西利信社長は「川上から川下までサプライチェーンとロジスティクスに関するサービスが包括的に提供できるようになった」とし、物流総合サービスを積極的に展開していくという。
新しくサプライチェーン&ロジスティクスコンサルティング事業部の責任者となった鈴木博之事業部長は最近のコンサルティング案件の特徴を「流通構造の変革を目的とした案件が多いとしたうえで、サプライチェーンや物流の抜本的な再構築が必要な案件が多くなった」と述べ、数年単位で取り組むプロジェクトが増えてきていると分析している。
M&Aなどで、複数企業・事業にサプライチェーンの統合やネット通販の展開、膨大な取り扱い商品の対応、グローバル化など、サプライチェーンとロジスティクスの統合的な取り組みが絶対的に必要となってきたと説明。
サプライチェーンとロジスティクス部門のアメリカ大陸統括責任者のリチャード・トンプソンは「フォーチュン500企業(フォーチュン誌が売上高で選んだ企業ランキング)のうち、10年前にはサプライチェーンを経営陣に報告する企業が3割程度だったが、現在は8割程度が経営陣の中にサプライチェーン担当役員を置くなど、その役割は大きくなっている。各社がコスト削減、生産性とサービスレベルの向上に焦点を当てているからだ」としサプライチェーンとロジスティクスの重要性を説明した。
日本での顧客について鈴木事業部長は、「一時EC系が多かったのですが、その後アパレル、医薬品系に移り、今後はまたEC系に移っていくと思う」としている。これはリアル店舗がここ1年くらいで、本格的にEC展開を始めたことによるとしている。
サプライチェーン&ロジスティクスコンサルティング事業部の売上については新設されたばかりということで、年率10%程度の成長を見込んでいる。