プロロジスの山田御酒会長兼CEOは2月19日、茨城県古河市に竣工した10棟のHAZMAT倉庫(危険品を保管する施設)と管理棟から構成される「プロロジスパーク古河7」について、隣接するマルチテナント型物流施設「プロロジスパーク古河4」との一体的な運用により、入居企業にとってタイムロスの少ない物流の実現につながると、その効率性・利便性の高さを強調した。
高まり続ける省人化・自動化ニーズへの今後の対応については、3PL事業を手掛ける荷主などと物流施設のあり方について検討を進めるとの考えを示すとともに、「天井高5.5m、床荷重1.5t/m2」など、同社が長年スタンダードとしてきた仕様を見直す可能性があることを明らかにした。また、建設コストの大幅な上昇により、今後は土地を調達して高いコストと時間をかけて開発を行うだけでは事業性に課題があるとし、立地に優れ構造上問題のない既存の物流施設をリノベーションし、現在の仕様に近づけて提供していくビジネスにも力を入れていくとした。
「プロロジスパーク古河7」は、総敷地面積17万7000m2の規模で開発が進められている「プロロジス古河プロジェクト フェーズ2」のエリア内に開発された施設で、竣工により「フェーズ1」「フェーズ2」を合わせたエリア内のHAZMAT倉庫は29棟となり、国際最大級のHAZMAT倉庫群として注目を集める。
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「プロロジスパーク古河7」は、10棟のHAZMAT倉庫と管理棟から構成され、延床面積は1万1800m2。泡消火設備を備え、コンプライアンス順守の観点から安全な保管場所の需要が急増しているリチウムイオンバッテリーや化粧品、アルコール類などの保管にも対応でき、奥行き5mの庇(ひさし)を備えることで、雨天時の荷役作業もスムーズに行うことができる。
各棟とも大雨時に庫内への水の侵入を防ぐ止水板の設置が可能な仕様としているほか、庫内の床面に傾斜を付けるなど保管品の液漏れ時対策などを施している。
管理棟には、入居企業が利用可能なシェアオフィスを設置。各入居企業が業務拠点として柔軟に活用できるよう、1社あたり2ブースの使用を想定した仕様となっている。
HAZMAT倉庫について山田会長兼CEOは、1棟1000m2以内という床面積に関する規制があるが、縦方向に関するルールは定められておらず、自動倉庫の導入も可能であるとする一方、荷捌きスペースとのバランスなどの観点から現実的ではないと指摘。荷姿が定型のドラム缶などでは、自動倉庫活用の余地があるが、「われわれが作るのは難しい」とし、現在のところHAZMATへの自動倉庫導入を前提とした検討は行っていないことを明らかにした。
HAZMAT倉庫以外の物流施設については、省人化・自動化へのニーズが非常に高まっており、これまでの「天井高5.5m」など同社標準仕様にこだわらず、自動倉庫導入を前提とした開発を行う可能性を示唆。その一方で、完成後のオペレーションやメンテナンスまで手掛けることについては、「主要顧客である3PL事業者とビジネスがバッティングするのが大きな課題」とし、今後は、BTS型物流施設(特定企業専用物流施設)を対象に、荷主とともに新たな物流施設開発のあり方について検討する姿勢を示した。
物流施設の需給に関する見通しについては、2023年をピークに大量の供給が行われてきたが、現在不動産会社は建設コストの大幅な上昇を背景に、コストを吸収しやすいホテルやオフィスビルの開発に注力しており、賃料を上げにくい物流施設開発には消極的な状態が続くとみられることから、2027年末ごろには物流施設の需給関係は正常化するとの認識を示し、2028~2029年ごろに「賃料を上げるチャンス」が訪れるとした。
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