日本通運は9月2日、スロベニア共和国のコペル港社(ルカコペル社)とコペル港利用による事業拡大と品質強化を目的とした覚書を6月10日に締結したと発表した。
覚書を締結したルカコペル社は、スロベニア政府が出資する半官半民企業で、コペル港の管理運営を主要業務とするとともに、物流強化という国の方針に基づき、ブタペスト、ウィーンにも事務所を構えて、コペル港の利用を促進する営業活動を行なっている。
今回の覚書締結は、日通とルカコペル社のネットワークを生かし、アドリア海に面したコペル港を活用した欧州各地への新たな輸送ルートの開発、輸送サービスの拡充、品質の向上、事業の拡大を目的としている。
例えば、コペル港を利用すれば、日本から欧州内陸へは大西洋を経由してオランダのロッテルダム港やドイツのハンブルク港を利用するルートより、航海距離は約3700km短くなり、Co2排出量は海上コンテナ1本あたり約2t削減される。
さらにブタペスト、ウィーンなどへは、陸上輸送距離が半分となるため、陸上輸送に伴うコストは約20%削減することができる見込み。
また、コペル港には鉄道が敷設されているため、トレーラー輸送のみならず鉄道輸送も可能で、リードタイムやコストなど顧客のニーズに応じた輸送方法を提案するとしている。