DHL Expressは11月14日、香港国際航空局とのパートナーシップの下、3億3500万ユーロを投じたセントラルアジアハブ（CAH）の拡張計画を発表した。
＜今回拡張されるDHLセントラルアジアハブ上屋＞
＜現在のDHLセントラルアジアハブでの作業風景＞
＜現在のDHLセントラルアジアハブ上屋外観＞
＜現在のDHLセントラルアジアハブ内部＞
戦略的ハブへの投資総額は5億2000万ユーロ超に達し、 DHL Expressがアジア太平洋地区で行ったインフラ投資としては、過去最大規模となる。
CAHは過去10年間、貨物取扱量が年平均12％の伸びを記録しており、今回の拡張はタイムリーな決定だった。
拡充後のCAHは、世界に3か所あるグローバルハブの1つとして、またDHL Expressのグローバルとアジア太平洋地区ネットワークでの中核ハブとして、地域の40％を超える貨物量を取り扱う。
拡張では最新型のマテリアルハンドリングシステムを導入し生産性を向上、貨物処理能力は現行の1時間当たり7万5000個から12万5000個へ向上する。
CAHフル稼働時の貨物処理能力は50％向上し、年間106万トンまで増えると見込まれる。香港国際空港内に位置するエクスプレス専用の貨物施設として、拡張後に、2004年の創設時に比べ6倍の貨物量を取り扱う能力を備えることになる。
拡張後のCAHは2022年第1四半期に運用を開始する予定で、汎珠江デルタ（PPRD）地域や2024年に第3滑走路が完成予定の香港国際空港の旺盛な貨物需要を取り込む。CAH拡張によって倉庫スペースも約50％拡張し、総倉庫面積が4万7000m2となる。
CAHは既にTAPAのAクラス認証を取得しているが、 拡張後には計520台の監視カメラと最新式のアクセスコントロールシステムを持つ最先端のセキュリティシステムを誇る施設となる。
さらに、フライトの離着陸時刻などの運航状況をリアルタイムでモニターするクオリティコントロールセンター（QCC）を備えているため、フライトの遅延や欠航などが発生した場合に顧客に事前に通知することが可能となる。
QCCは香港にあるアジア太平洋ネットワーク全体を管轄するコントロールセンターと接続しており、またその他アジア諸国の40を超える都市にある70のゲートウェイおよび500か所以上のサービスセンターとも連携している。
＜DHLエクスプレスのケン アレンCEO（中央）、香港国際航空局CEOのフレッド ラム氏（左より3番目）がDHLセントラルアジアハブ拡張の契約を調印＞
DHL Expressのケン アレンCEOは、「今後、国際ECおよびアジア域内貿易のさらなる拡大が見込まれるなか、 DHLは、グローバルネットワークの強化とサービス向上に全力で取り組んでいる。戦略的に重要なロケーションである香港に位置するセントラルアジアハブは、今回の拡張が完了した後には、アジア太平洋地区でのオペレーション能力を増強するだけでなく、アジアをはじめ世界で急速に拡大している国際貿易需要をさらに促進する」と述べている。
DHLジャパンの山川丈人社長は、「アジア諸国をはじめとする、世界の越境EC市場の拡大を受け、DHL取扱の日本発着貨物も堅調な伸びを見せている。今回のセントラルアジアハブの拡張計画発表は、今後も成長が見込まれるこうした越境EC貨物ニーズに応えるインフラ強化策の一環として、昨年6月に開設した東京ゲートウェイに続くもの。国際エクスプレスのグローバルリーダーとして、引き続き、日本の顧客へ業界最高クラスの国際輸送サービスを提供していく」と話している。
