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大和ハウス/AI・ロボット活用、従量課金制物流サービスを発表

2018年04月18日/物流施設

大和ハウス工業とダイワロジテックは4月25日、千葉県市川市の物流施設「DPL市川」2階に、AI・Iot・ロボットを活用した、新しいシェアリングモデルを物流施設内で構築した「Intelligent Logistics Center PROTO」をオープンする。4月18日、報道陣に施設を公開した。

<Intelligent Logistics Center PROTO>
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物流業界の人材不足、人件費高騰、ドライバー高齢化と輸送費高騰、積載効率の低下といったさまざまな課題に対応するため、人工知能(AI)、ロボットなどを活用した最新の物流サービスを提供する施設。

物流施設は、テナントが床を面積単位で借り上げる賃貸借方式で運用しているが、Intelligent Logistics Center PROTOは、テナントが実際に出荷した商品の物量や長期保管した商品量によって、施設使用料が決まる従量課金制の物流サービスを提供する。

大和ハウスグループが物流施設や作業員、設備、システム等をトータルで提供し、物流サービスを利用した分だけ料金を支払う従量課金制を導入したことで、テナント企業は物流に関する初期投資コストを削減し、スピーディーに物流サービスを構築できる。

<従量課金制のビジネスモデル>
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テナントが、負担する物流費の20%が物流施設の賃料で、80%が倉庫内作業や輸配送費用となっていることに着目。

倉庫内業務を効率化するための搬送ロボットや、アパレル系ECサイトなどで必要となる、商品の採寸、撮影、原稿編集といった業務(ささげ業務)を効率化するシステムなどを外部企業と協力して導入することで、次世代物流を提供する。

中小の事業者が単独では導入することができない、搬送ロボットなどの機器を大和ハウスが用意することで、設備投資の負担をせずに、最新の物流サービスを利用できるようになる。

<ダイワロジテックのサービス>
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ダイワロジテックは、物流IT企業の事業会社を束ねるホールディングスで、今回のプロジェクトでは、傘下のGROUNDが提供する自動搬送ロボットシステム「Butler(バトラー)」、Hacobuが提供するクラウド型配車・運行管理システム「MOVO(ムーボ)」、次世代型物流センター管理システムを提供するフレームワークスが参加した。

さらに、テナントでもあり物流関連サービスも提供する外部企業もプロジェクトに参加し、実際の業務を通じて、サービスを進化させる計画だ。

女性向けの月額制ファッションレンタル「airCloset(エアークローゼット)」を運営するエアークローゼット、海外ファッション専門ECサイト、アウトレット専門ECサイトなどで構成するマーケットモール「waja」とSaaS型ささげシステムPANAMAを提供するwaja、ホビー、ぬいぐるい、ゲーム、アパレルなどの越境ECサイト「TOM EC」を運営し、越境ECシステムを提供するTokyo Otaku Modeが参加した。

複数のテナントが同一施設内で共同利用する従量課金制を導入したシェアリングモデルを確立するため、3社の物流をあわせ、同一スペースで作業員や設備、システムなどを共同利用する。

施設には、自動搬送ロボット「バトラー」を30台導入し、作業人員で40%の削減効果を見込む。そのほか、ハンガーのロボット納品で10%から20%の削減、ささげ業務や返品商品を再販可能商品にする業務で30%程度の人員削減効果を見込む。

インテリジェント・ロジスティクス・センター・プロトは、テナントの協力を得ながら、先端テクノロジーを取り入れ実証を行う研究・開発(R&D)機能を担い、確立された技術やサービスは他の物流施設にも展開する計画だ。

<ショールームスペース全体図>
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ショールームスペースを併設し、大和ハウス工業が手掛けてきた物流施設を紹介するHistoryエリアやインテリジェント・ロジスティクス・センターの構想を大スクリーンで紹介するPlazaエリアを展開する。

<Historyエリア>
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<Plazaエリア>
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また、Panoramaエリアでは、自動搬送ロボット「バトラー」が稼働している様子やピッキング作業の様子が見学でき、Sasageエリアでは、商品の撮影、採寸、原稿作成の様子を見学できる。

<Panoramaエリア>
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<Sasageエリア>
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今年中には、大和ハウス工業が千葉県流山市に開発した「DPL 流山1」2階に、インテリジェント・ロジスティクス・センターの第2弾を開始する予定だ。

DPL 流山1は 1フロア3万3000m2の大型物流施設で、DPL市川の6855.47m2を超える規模となる。

<DPL市川>
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当面は、市川、流山の運営に注力し、要望があれば、大和ハウス工業が全国で展開するマルチテナント型物流施設に、同様な設備を導入するという。

<浦川常務(写真中央)>
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大和ハウス工業の浦川竜哉取締役常務執行役員は、「大和ハウスは、倉庫業務に進出すると思われている人もいるが、当社の狙いは物流の効率化にある。人手不足や人件費の高騰は、各社で共通した問題で、当社はこれの課題に対してAIやロボットなどを組み合わせて新たな物流を構築する。当社の取り組みを広く多くの人に見てもらうために、ショールームも設けた。インテリジェント・ロジスティクス・センターを直接、見てもらうことで、ダイワロジテックなどグループ各社が提供するサービスを、物流事業者に紹介していきたい」と語る。

■施設概要
所在地:千葉県市川市高谷新町6-4
DPL市川2階
倉庫部分延床面積:6855.47m2
ショールーム延床面積:474.97m2
見学時間:10時~16時(土日祝は休み)
所要時間:60分

■Inteiiigent Logistics Center
http://www.daiwahouse.co.jp/business/logistics/AI/index.html

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