国際協力機構(JICA)は10月3日、ミャンマーとの間で、「マンダレー港開発計画」を対象に60億3300万円を限度とする無償資金協力の贈与契約(Grant Agreement: G/A)を締結したと発表した。
事業は、ミャンマー北部の経済の中心、国内第2の都市であるマンダレーで、港の接岸施設の建設、荷役施設の機械化、ターミナルの建設等、マンダレー港の近代化のための整備を行うもの。また、この整備により北部地域住民の生活の向上に貢献する。
マンダレー港は、同国第1の都市であり経済成長の中心となっているヤンゴンとの間で多数の旅客船・貨物船が往来し、交通・物流の拠点として北部地域の人々の生活を支える、ミャンマー内陸水運において最も重要な河川港のひとつ。
しかし、同港は自然河岸を用いただけの、貨物荷役施設も無い港であるため、船舶に河岸から渡した木板を通路に人力による荷役が行われるなど、水運効率が極めて劣悪な状況。
事業で港湾が整備され荷役が機械化されることによって、年間20万トンの貨物の取り扱いが可能になるほか、時間あたりの荷役効率も約6倍に増加、船舶係留期間が90%以上短縮されるなど、内陸水運での交通・物流の大幅な効率化が見込まれる。
また、同効率化の先には北部経済圏の発展に寄与することが期待されている。
具体的事業内容(予定)は施設整備/機材調達、桟橋(全長180m、計画前面水深2m)、連絡橋2橋(全長172.2m、76.0m)、ターミナルエリア埋立(220m×150m)、屋外貨物/コンテナヤード(9,900m2)、貨物ヤード/空コンテナ置場(1600m2)。建築では、上屋(延床面積2,340m2)、港湾事務所/ワークショップ(2階建、延床面積1,580m2)、労働者休憩所、発電機棟、ポンプ室、セキュリティポスト。機材では、荷役機材(ジブクレーン2台、ラフテレークレーン1台、リーチスタッカー1台、フォークリフト5台、トラクタートレーラー及、シャーシー6台)となっている。
そのほか、コンサルティング・サービスでは、詳細設計、入札補助、施工・調達監理等。