矢崎エナジーシステム(矢崎ES)は11月1日、求荷求車ビジネスで国内最大手のトラボックス、タイの商用車テレマティクスビジネス最大手DTC Enterprise (DTC)と、3社共同によるタイでの求荷求車サービスを10月26日から開始したと発表した。
<(左)矢崎ESの矢崎社長、(中央)DTCのクナパムシリ社長、(右)トラボックスの吉岡社長>
サービスの開始に先駆けて、10月25日にタイで3社合同の記者会見を開いた。
このサービスは、運んで欲しい荷主(荷物情報)と、運びたい運送会社(車両情報)をWEB上でマッチングさせるもの。料金は荷主側が無料で、運送会社側が登録料1000THBとサービス料1000THB/月を支払う。
現在はDTC内に営業などの部署を設置しているが、今後は3社で新会社のTOR@MOVE(トラムーブ)を設立し、事業主体として展開する予定。2019年6月20日までに、3000社の会員獲得を目指している。
3社による提携と求荷求車サービスの開始について、DTCのトサポール・クナパムシリ社長は、「トラックの空車管理はタイの輸送業界における問題のひとつ。空車トラックの運行は、輸送コストを高めるほか、交通事故や大気汚染の原因にもなっている。このサービスを普及させることで、空車運行が引き起こしている社会問題を解決していきたい」
矢崎ESの矢崎航社長は、「タイやASEAN各国が国際化を進め、経済発展していくためには、物流の生産性向上や輸送品質の向上が不可欠。求荷求車サービスの開始は、タイ政府が目指している「タイランド4.0」の提唱や、物流コストを12%未満に抑えたいという政府主導の政策にも合致している。今後は、矢崎とDTCが強みを持つテレマティクス車載システムと連動した空きトラックの効率的なマッチングや、顧客への荷物の輸送状況案内サービス、運賃保証サービスなど、効果的な輸送品質向上に向けたコンテンツとしてもラインナップしたい」
トラボックスの吉岡泰一郎社長は、「ASEAN諸国の物流課題に対して我々の物流ネットワークが役立てるのではないかと考え、今回の提携に至った。同地域の物流効率化に寄与していきたい」とそれぞれコメントした。