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日本郵便/物流コンテストでロボットによる作業自動化に最優秀賞

2019年02月05日/IT・機器

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日本郵便とサムライインキュベートは2月5日、日本郵便オープンイノベーションプログラム「POST LOGITECH INNOVATION PROGRAM 2018」のDemo Dayを開催し、POST LOGITECH INNOVATION AWARDの最優秀賞にRapyuta Roboticsを選定した。

<授賞式>
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Rapyuta Roboticsは、プラットフォーム「rapyuta.io」を用いた、ロボットアームによるカゴ台車からベルトコンベヤーへの荷物の取り降ろし作業の自動化と、カゴ台車を自動運搬するAGV(無人搬送車)とロボットアームを協調させたシステムの実用化を目指している。

昨年10月以降に取り組んでいる日本郵便との実証実験では、荷物の取り降ろし作業について作業時間を12秒から8秒に短縮したほか、荷物を認識するソフトの精度向上によって向きや大きさなどさまざまな状態の段ボールについて取り降ろしを可能にした。

今後は、今夏までに大型ロボットアームを導入し、可搬重量を30kgまで引き上げるとともに、作業時間も最短5秒まで短縮。2019年度中にはトラックから取り降ろしたカゴ台車を作業場所まで運搬する工程についても自動化を目指していく予定だ。

最優秀賞は、POST LOGITECH INNOVATION PROGRAM 2018の採択企業2社(Rapyuta Robotics、エー・スター・クォンタム)を対象に、「革新性」「協業意義」「課題解決性」「検証内容」「実現性」の観点から、日本郵便の横山社長やサムライインキュベートの榊原代表取締役などが審査委員となり選定した。

<日本郵便の横山社長(右)、Rapyuta RoboticsのガジャンCEO(中央)、サムライインキュベートの榊原代表取締役(左)>
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日本郵便の横山社長は、「eコマースの普及で物量が急激に拡大している今、郵便物流事業のオペレーション改革は経営の1丁目1番地。物流拠点でロボットを効率的に活用することが、改革のキモになる」とRapyuta Roboticsの取り組みを選んだ理由を説明。

また、サムライインキュベートの榊原代表取締役は、「物流施設では未だに人海戦術に頼っている部分が大きく、長期的な観点でみた導入によるコストメリットの大きさが選定の決め手になった。エー・スター・クォンタムによる量子コンピューターを用いた輸送ネットワーク最適化の取り組みも大変優れた提案で、Rapyuta Roboticsとは1票しか差がなかった」と僅差による決着であったことを明かした。

最優秀賞に選ばれたRapyuta RoboticsのガジャンCEOは、「rapyuta.ioがロボットアームに対応するのは今回が初めて。それでも事業に採択し、物流についてもレクチャーしてくれた日本郵便には感謝している。これからも日本郵便との協業の中で、このプラットフォームを磨いていきたい」と語った。

なお、今回のDemo Dayでは、日本郵便と共創に取り組むスタートアップ4社の中から、来場者の投票で選んだ観客賞として、AIによる配送ルートの自動作成システムを提供しているオプティマインドを選定した。

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