ZMPは8月19日、東京都江東区の「CarriRoイノベーションセンター」で開催中のイベント「ZMP World 2020」で、物流支援ロボット「CarriRo」シリーズの新製品を公開した。
新製品は、重量版モデル「CarriRo AD+」のオプション機能「Hybrid SLAM」、無人フォークリフト「CarriRo Fork」のパレット認識機能「ForkEye」搭載モデル、無人牽引車「CarriRo Tractor 2.5T」の3つ。それぞれ、施設内で実機を用いたデモンストレーションを披露した。
<CarriRo AD+ Hybrid SLAM搭載モデルのデモ走行>
「Hybrid SLAM」は、CarriRo AD+で新たにSLAM技術とライントレース技術による自律走行を可能にするもの。
SLAM方式はレーザースキャナーで自己位置を測り走行するためランドマークの設置が不要で、ティーチングでルート変更も容易に行うことが可能。また、ライントレース方式は地面に敷かれたライン上を走行することで高い直進性と停止精度を実現する。両方式とも、通路幅1mに満たない狭い通路でも走行することが可能だ。
この2つの走行方式が、CarriRo AD+の持つランドマークを認識して走行するVisual Tracking方式に加わることで、利用シーンによって3つの走行方式を使い分け、CarriRo AD+を物流現場でより柔軟に運用することができるようになる。
<CarriRo Fork ForkEye搭載モデルのデモ走行>
「CarriRo Fork ForkEye搭載モデル」は、自動フォークリフトにパレットを認識するセンサーを搭載したもの。センサーがパレットの爪穴位置を認識することで、マップ上に指定された配置位置から数十cm程パレットの位置がずれていても、ずれを修正してパレットを受け取ることができる。また、パレットが置かれている高さを認識し、高所にあるパレットを荷下ろしすることも可能だ。
これにより、有人フォークリフトとの協働作業、段積みパレットやトラックからの荷下ろし、AGVや自動倉庫といった外部機器との連携が可能になる。外部機器との連携では、パレット台車の搬送に対応したCarriRo AD+との連携によって、パレット貨物の入出庫作業の完全自動化を実現できる。
<CarriRo Tractor 2.5Tのデモ走行>
「CarriRo Tractor 2.5T」は、屋内外での走行に対応した最大可搬重量2.5トンの自動牽引車で、工場敷地内における建屋間搬送などでの利用を想定したモデル。
従来の屋外用AGVが磁気ラインで誘導する走行方式なのに対し、CarriRo Tractor 2.5Tでは数m間隔で路面に設置した磁気ネイルを目印に走行する方式となっており、動線確保に必要な工事費用を低減し、ルート変更も容易に行うことができる。
牽引する台車は、物流機器商社であるジャロックの小回り性能に優れた4WS(四輪操舵)台車を採用し、同社と共同で展開していく。
■製品情報
「Hybrid SLAM」
価格:60万円(税別)/台
リリース時期:(ライントレース)機能12月
(SLAM機能)2021年3月
「CarriRo Fork(リーチタイプ)Fork Eye搭載モデル」
価格:5年リース月額35万円(税別)/台
リリース時期:12月
「CarriRo Tractor 2.5T」
価格:5年リース月額15.2万円(税別)/台
リリース時期:12月
※いずれの製品も、申込み受付中。9~12月までに申込みの場合、特別価格で提供。