商船三井は6月30日、INPEX、IHIと、アラブ首長国連邦(UAE)と日本を繋ぐクリーン・アンモニア・サプライチェーンの実証を実施したと発表した。
<アブダビのアンモニア生産プラント>
同実証で使用したクリーン・アンモニアは、肥料メーカー大手のFertiglobeがアブダビで生産された天然ガスから製造し、ADNOCが供給したもの。アンモニア生産時に排出されたCO2を回収し、INPEXが参画するアブダビ陸上油田で同CO2を地下に圧入することで、CO2排出量を抑制した。
<クリーン・アンモニアのIHI納入式典の様子>
INPEXはADNOCと協力し同実証の中核を担い、商船三井は、同社が出資する日本コンセプトの協力を得て、ISOタンクコンテナ(国際標準、ISO規格)に基づき設計・製造された液体輸送用のコンテナ)を用いて同クリーン・アンモニアをUAEアブダビ首長国から日本に輸送した。
<IHI製2000kW級ガスタービン>
IHIは同クリーン・アンモニアを用いて、開発中のアンモニア焚きタービンで燃焼実験を実施。なお、同クリーン・アンモニアの輸送にあたっては、昭和電工も支援・協力を行った。
商船三井は、2021年6月に発表した「商船三井グループ 環境ビジョン2.1」で2050年までのネットゼロ・エミッション達成を目標とし、地球環境問題の解決に取り組んでいる。
次世代燃料として今後大規模な需要が見込まれているアンモニアについても、安全で高品質な輸送サービスの実績を確実に積み上げ、広範なバリューチェーンに積極的に参画することで、脱炭素社会の実現に貢献するとしている。