商船三井と三井物産は1月27日、日本海事協会より、アンモニア燃料大型ばら積み船の設計に関する基本承認（AiP）を取得したと発表した。
＜アンモニア燃料21万重量トンばら積み船（完成予想図）＞
開発は商船三井と三井物産が共同で本船サイズの決定および仕様の策定を行い、設計については両社より三菱造船に委託している。今回AiPは「21万重量トンケープサイズ」と汎用性の高い船型で取得した。
この船は、燃焼時にCO2を排出しないアンモニアを燃料として使える主機関を搭載することで、航海中のCO2排出量ゼロを実現。またこの船は様々な航路を想定し航続距離を最大限確保できるようアンモニア燃料タンクをオンデッキに2つ設置する設計としており、カーゴスペースを最大限有効活用できる仕様。
更には、基本設計の段階で許容されないリスクが存在しないことの確認や、詳細設計において検討すべき事項の洗い出しを目的として、日本海事協会によるリスクアセスメント（HAZID)を実施する予定であり、アンモニアが有する毒性等を十分考慮した安全対策を織り込む設計だ。
なお、HAZID（Hazard Identification Study）とは、システムの潜在的危険についてその危険の大きさと発生頻度を専門家間で討議し、システム全体として十分な安全性を持つようにするリスク評価・管理手法。
