日本ロジスティクスシステム協会(JILS)は4月28日、2022年度物流コスト調査報告書の概要版を公表した。
それによると、2022年度調査(有効回答195社)の売上高物流コスト比率は全業種平均で5.31%(前年度比0.39ポイント減)となった。
JILSは、マクロとミクロの両面で今回の売上高物流コスト比率減少の要因を分析している。マクロ的な見解としては、コロナ禍当初の特異なビジネス環境での状況と比較して企業の売上高が回復し、その回復の勢いが物流コスト単価の増加を上回ったことを要因の一つとして推測している。
一方で、ミクロ的には、製造業を中心に商品・製品・サービスの価格改定(値上げ)がなされる一方、商品値上げ幅に比べて物流単価の上昇が追従していないため、売上高物流コスト比率が下がったという側面も否定できないとしており、物流事業者から荷主企業への価格転嫁が全体的に進んでおらず、社会的に見て必要な物流コスト上昇が達成できていないという現状を表した結果となった、としている。
■2022年度物流コスト調査報告書(概要版)
https://www1.logistics.or.jp/Portals/0/resources/Cost/cost_report_20230428.pdf
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