三菱商事／北京に近代的総合物流センターを設立、中国全土27拠点を活用し、サプライチェーン・マネジメント・サービスを提供

三菱商事（株）は中国全土をカバーする物流ネットワークを展開しており、ことし6月に中国北京市において、総合物流会社、北京環捷物流有限公司を設立し、ことし末には開業を予定している。
新会社は日系企業としては極めて珍しい外資がマジョリティーを持つ会社で、北京では最大の倉庫規模・近代的な最新鋭設備・情報システムを持つ物流センターを設立し、中国全国輸配送・流通加工、コンテナ取扱等の一貫総合物流サービスを提供する。
パートナーは三菱倉庫株式会社、三菱商事（中国）投資有限公司、及び現地交通局傘下企業の北京華通企業経済発展総公司。
北京総合物流センターは本年8月中旬に建設着工、12月には竣工・開業を予定しており、その後、本格的に営業を開始する。
三菱商事は既に中国各地において国際物流、国内物流業務の現地法人を設立済みで、上海での大型物流センター（上海菱華倉儲服務有限公司；現在二期拡張工事中）を核として、上海浦菱儲運有限公司による中国全土各地への配送網を含め、中国に進出済・予定の日系企業の期待に応えて近代的な物流サービスを提供している。
そして今回の北京総合物流センターを設立したことで、中国における物流インフラの基盤は更に強固なものとし、全国27ヶ所の拠点を持つ業界唯一の全中国物流ネットワークを展開する。
今後はこれらの物流ネットワークを活用し、中国では未だ例のない複数大都市間路線便の開設、小口混載サービスの拡充、GPS利用によるトレーシングシステムの充実、サプライチェーンマネージメントサービスの提供など、21世紀の巨大物流マーケット需要に応えていく。
1.事業の概要
中国は改革開放経済の下企業の近代化を推し進めているが、物流面での近代化は依然立ち遅れており、中国有数の巨大消費市場である北京市においても、近代的倉庫の不足、総合物流サービスが未熟であり、外資企業を始めとする各企業がこれら諸問題の解決を求めている。
本センターは、北京市郊外の「北京華通物流中心」（国家プロジェクトであり、中国物流近代化の拠点44箇所（全国）の一つの、北京東南部での物流ハブとして開発するもの。
敷地39万㎡）内、約3万㎡の土地を確保しており、最新鋭の設備を導入した1.5万㎡の近代的な倉庫で、効率的な貨物保管管理業務を行うと共に、輸配送サービス用の自社トラックも保有しており、中国国内全土向け貨物輸配送業務も同時に行う事ができ、顧客に対してサプライチェーンマネージメントの提供も視野に入れて事業展開を行う。
又、同センターは、現在の中国では初めての外資マジョリティーによる総合物流センターである事も大きな特徴。外資がマジョリティーを占める総合物流企業が許可されるのは北京市では初めてであり、中国全土でもほとんど例はない。
同センターは、北京市最大の北京経済技術開発区に隣接しており、北京と天津を結ぶ京津唐高速道路、沈陽を結ぶ京沈高速道路と、北京市外環状道路（公路二環）が交差する地点に立地しており、物流業として交通アクセスが最適。
2.設立の背景と目的
(1) 三菱商事では、昨年4月に新たに「新機能事業グループ」を発足させ、FILM機能（Financial、Information、Logistics、Marketing）の拡充による従来の商社機能プラス「新たな価値創造への挑戦」を行い、既存商権の付加価値向上と新規商権の獲得を目指している。
そのFILM機能の一部を担うLOGISTICS分野での取り組みとして、国際物流の中核子会社としてエム・シー・トランス インターナショナル社を設立し、同社に物流関連事業投資を集中させ、同社名にてシンガポール、ヨーロッパ・アメリカ・香港などへの事業会社設立・進出を進めており、全世界物流ネットワークの体制作りを整えてきた。
現在、全世界で約50の物流事業会社を展開し、物流ネットワークを構築、SCM物流／3PLなどの総合物流サービスの社内外顧客への提供を行っている。
(2) 中国では既に国際Fowarding業務、国内輸配送・保管業務、冷凍・冷蔵保管・配送業務において、各現地法人を設立し、事業展開を行っており、中国内物流では、三菱倉庫(株)と共に、上海物流センターをハブとし、自前の運送会社による中国全土各地への配送網を展開し、全国27ヶ所の拠点を持つ業界唯一の全中国物流ネットワークを構築している。
(3) 従来の上海ハブに加え、北京にも同社主導の総合物流拠点を設ける事により、既存拠点ネットワークとの相乗効果を高め、同社の中国における物流インフラ基盤が更に強固なものとなる。
物流の効率化が課題となっている進出済・予定の日系・欧米系企業に対して、中国全国隅々まで一貫した輸配送・保管業務サービスを提供すると共に、LTソリューションにおいても大いに貢献する事が期待されている。
会社の概要
(1) 社名： 北京環捷物流有限公司（Beijing Global Express Co． Ltd．）
(2) 所在地： 北京華通物流センター（北京東南貨運センター）
(3) 総合物流センター概要：
敷地面積： 約3万㎡
規 模： 倉庫面積　約1.5万㎡
基本構造　SC作り、平屋高床式、両面ドック
保有設備　ドックレベラー　6基 等
(4) 総投資額： 5200万人民元（約7億円相当）