イーエックスイーテクノロジーズ／戦略強化で日本のデファクトスタンダード目指す

イーエックスイー・テクノロジーズ（株）（千葉県浦安市、津村謙一社長）は１０月、サプライチェーン/デマンドチェーン全体のロジスティクスの最適化をリアルタイムにサポートするソフトウェアの新製品「EXceed Collaborate」を投入するのを機に、日本市場の本格的な開拓に乗り出す。
大手ソリューションベンダーやその周辺のシステムインテグレーターなどのパートナーと積極的な業務提携を行い、国内需要を掘り起こす。同時に、パートナーに対するサポートと日本市場に向けたローカライズのための研究開発体制を整える計画。
これにより、２００１年見通しで３０億円の売上高を２００３年に９０億円と３倍に増やし、日本市場でのシェア拡大とデファクトスタンダードを目指す。
イーエックスイーテクノロジーズは、ＳＣＭの計画系コンセプトであるＳＣＰを実行するための仕組みづくりを担うサプライ・チェーン・エクセキューション（ＳＣＥ＝実行系）と呼ばれるソフトウェアの世界トップベンダー、米国EXE Technologies（本社：米国テキサス州ダラス）の日本法人。EXE Technologiesの「EXceed Fulfill」は米国を主体に世界３５カ国１５００サイト以上で稼動実績をもち、世界のベストプラクティスを反映したＳＣＭ実行系ソフトウェアソリューションとして世界標準パッケージとなっている。
日本においても３ＰＬ（サードパーティロジスティクス）、流通業、製造業等４０社以上に導入されている。
EXceed Fulfillは資材の調達から生産、製品の保管、配送といったモノの動きを全体最適化や経営管理の視点から把握・管理するソフト。一方、EXceed Collaborateはサプライチェーンにかかわるすべての担当者が、刻々と変化するロジスティクスをリアルタイムに管理する仕組みを作るソフト。いずれも世界のベストプラクティスに基づくソリューション・ソフトウェア・パッケージで、これらによって、サプライヤーから卸、小売、運輸の各業者と顧客を結ぶサプライチェーンのネットワークを組み上げることができ、モノと情報の流れの一元的な管理が実現できる。
日本法人であるイーエックスイーテクノロジーズは「景気低迷が長期化し、経営革新を迫られている日本企業に今最も求められているのは投資回収率の改善。顧客に価値を生み出すEXceedのような経営合理化ツールのニーズが高まる」（津村謙一社長）とみて、製品がラインアップされるのに合わせ、Fulfill とCollaborateの相乗効果で、日本の３ＰＬ，流通（小売・卸）、製造、一般消費財、ハイテクなどの分野の需要開拓を本格化することにした。
具体的には、製品開発において、現在の製品を業界別に対応させる業種別テンプレートの積極的な開発を行い、来年早々にも販売したい考え。また、将来的には大きな需要が見込まれるＡＳＰへの取組みも進めている。
販売面においては、現在の日本ＩＢＭや日本ユニシス、沖電気などのビジネス・パートナー・モデルに加え、新しくコンサルティング活動を通じて、特定業界の掘り起こしを図ることにも着手する。
また、パートナー数も現在の約２０社を関西、九州等地方の新規開拓などを通じて２００３年までに１００社以上に拡大する計画で販売チャネルの拡大とともに売上増に結びつける。
組織面においても、社内的には研究開発、マーケティング、ソルーション・コンサルティング、ユーザー研修などの機能を強化し、パートナーをサポートする。このため、EXE Universityのトレーニング内容の充実をはかるとともに、現在、技術系を中心に６０人いる従業員を２００３年には２００名に増強する。
同社は日本のＳＣＥ実行系の市場規模を２０００年で４００億円、２００３年で１０００億円、２００５年には１８００億円近くに達すると分析しており、こうした対策によって、従来の手作り型ソフトウェアからパッケージ型のソリューション・ソフトウェアに移行する流れを速めたい考えで、早期に日本市場におけるシェア拡大を図り、日本におけるデファクトスタンダードとなる目標を立てている。
EXE Technorogies Inc.について
本社：米国テキサス州ダラス
最高経営責任者（ＣＥＯ）レイモンド・フッド：Raymond Hood
１９９７年９月、ネプチューンシステムズ社とダラスシステムズ社が合併して発足。
２０００年８月にナスダック（NASDAQ）に株式公開
ＳＣＭ実行系のソフトウェア・パッケージとサービス、教育を世界規模で提供できる唯一の企業。
北米、欧州、中東、アジア、オセアニアに拠点を置き、世界１２カ国に現地法人を持つ。３６カ国で事業展開し、主力商品のEXceed FulfillはＧＥやソニーなどの国際企業４５０社以上、１５００サイト以上に導入実績があり、ＳＣＭ実行系のデファクト・スタンダードになっている。
２０００年売上高：１億５０００万ドル。
北米、中東、アジア、太平洋、欧州の各地に拠点を有している。