富士重工業／欧州物流管理会社が本格稼動

富士重工業（株）が欧州地域での物流の合理化を図るためオランダ・ロッテルダムに設立した物流会社「スバル ヴィークル ディストリビューション（Subaru Vehicle Distribution B.V. 略称ＳＶＤ）」は、本格的に業務を開始した。
新会社ＳＶＤは、富士重工業と三井物産（株）、スイス、ドイツ、フランスなどにおいてスバル車の販売を取り扱うエミール フライ（ウォルター フライ社長）の3社が等分出資し、資本金450千ユーロで5月30日付で設立。7月中旬より試験稼動を行ない、品質の確認などを進め、このたびの開所式を迎えた。
ＳＶＤは、スバル車の陸揚げ、アクセサリ装着や洗車などのＰＤＩ作業、特約店やディーラへの車両配送の一元管理を行い、年間3万台の取り扱いを目標とし、そのボリューム効果からコストの削減も追求していく。
第一段階としては、中部4地域（スイス、ドイツ、フランス、ベネルクス）において、現在4港で荷揚げされている車両をロッテルダム港1港に集約、1台当り30％以上の物流コスト低減（荷卸からディーラーまで）と1週間の輸送期間の短縮（日本から現地モータープールまで）を図る。今後、更に他の欧州市場にも対象を広げ、欧州全体での合理化を狙う。
欧州では経済統合により販売競争の激化が予想され、一方では厳しい環境規制によるコストアップが懸念されている。このため、コスト削減・販売体制強化への対応は、メーカーが主導で推進すべき重要課題の一つであった。この物流会社の設立・運営は、こうした課題解決の手段の一つであるが、今後はＧＭとのアライアンスによる協力も含め、更なる合理化に取り組んでいく。
　 　
新会社の概要
社名：スバル ヴィークル ディストリビューション（Subaru Vehicle Distribution B.V.）
所在地：Merseyweg 40 3197 KG Rotterdam Botlek Rotterdam Kingdom of Netherlands
役員：伊藤 健太郎（三井物産から派遣、前スバル ベネルクス販売部長）
工藤 雅道 （富士重工業から派遣、非常勤、同社欧州駐在員事務所マネージャー）
ピーター フィッシャー（エミール フライから派遣、非常勤、同社物流部長）
事業内容 欧州地区特約店向け車両陸揚げ、ＰＤＩ作業、車両配送の受託など