トヨタ自動車(株)は、衝突が避けられない自車の状況を事前に判断し、安全装備を早期に作動させることにより、衝突被害を軽減する新システム「プリクラッシュセーフティ」を開発し、来年発売予定の新型車に搭載する。
「プリクラッシュセーフティ」は、ミリ波レーダーで、進路上にある車両や障害物を認知し、物体の位置、速度、進路からECUで衝突不可避を事前に判断する「プリクラッシュセンサー」と、衝突判断後の早期巻き取りで乗員拘束性能を高める「プリクラッシュシートベルト」及びペダルの踏み込みに応じ、早期に制動力を補助し衝突速度を低減する「プリクラッシュブレーキアシスト」で構成している。
衝突被害軽減のためには、衝突をより早く判断し、安全装備を早期に作動させ、安全装備の効果を高めることが基本。これまでは、衝突後に安全装備を作動させていたが、より早期に作動させるためには、衝突不可避を事前に判断することが課題であった。今回、新開発の「プリクラッシュセンサー」により、衝突不可避の事前判断を可能にしている。
プリクラッシュセーフティの構成】
1.プリクラッシュセンサー
雨や雪などの天候でも物体認知性能に優れたミリ波レーダーに電子スキャン方式を採用することにより、物体の位置を認知する性能を高めている。さらに小型化により車両への搭載性を確保している。加えて、物体の位置、速度、さらには対象車両の予想される進路とドライバーの運転操作などから推定した自車両の進路をもとに衝突を判断するECUソフトウェアを新開発し、先行車のみならず対向車、障害物についても、衝突するかどうかの判断を可能にしている。
2.プリクラッシュシートベルト
衝突直後にシートベルトを巻き取る、これまでのプリテンショナー機構に加え、「プリクラッシュシートベルト」では、衝突前にベルトを巻き取る機構を備え、より早く乗員を拘束することで、衝突被害を軽減している。
3.プリクラッシュブレーキアシスト
これまでのブレーキアシストでは、ブレーキペダルが急速度で踏み込まれた場合に緊急制動と判断し、より大きな制動力を発生させていたが、「プリクラッシュブレーキアシスト」では、ブレーキペダルを踏む前にプリクラッシュセンサーによって衝突不可避を判断し、ブレーキの踏み込みが急速度でない場合でも、踏み込みと同時にアシストを作動させることで、より早く踏み込みに応じた大きな制動力を発生させ、衝突速度を低減させる。
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トヨタ自動車/衝突を事前に判断し被害を軽減する新安全技術開発
2002年07月01日/未分類
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