全国建設産業団体連合会、マイクロソフト／協業、中小建設業のIT化推進

（社）全国建設産業団体連合会（以下：全国建産連）と、マイクロソフト（株）は、中小建設業におけるIT化を軸とした具体的な手法を全国建産連会員向けに提供していくことで、長期的かつ包括的な合意した。
両者はITを活用して経営改革の実現に成功したシステムを事例として紹介し、間近に迫った電子納品への具体的な対応方法を実機を使って体験しながら学ぶことができる講習会を全国35府県建産連で開催（一部実施済み）。また、全国建産連は、会員企業向けのPCや電子納品対応のソフトウェアを特別価格で提供していく。
今回の協業は、全国の中小建設業が取り組むCALS/ECを強力にサポートするという目的において、全国建産連とマイクロソフトが合意したところによるもの。
プロジェクトの狙いは、2004年度からの国土交通省直轄工事の全面電子化から2010年度の全公共工事の電子化という地方展開アクションプログラムに向けて、全国建産連の傘下団体会員企業に、インフラ構築の必要性と、その具体的な対応方法を説明し、企業がそれを習熟することにある。
全国建産連は、そのほとんどが従業員300人以下の地方中小建設業者で構成される団体の集合体で、建設業者約22万会員企業を傘下に抱えている。全国建産連は、Windows/Officeに代表されるプラットフォームを提供しているマイクロソフトと協業していくことで、その活動を通じて会員企業に長期的に安心して利用できるコンピュータ環境が提供できることを最大の利点として捉えており、一方のマイクロソフトは、中小建設業界を新規市場として捉えている。
業界のIT化を通して市場を活性化させるという目的で、全国建産連の協力を得てプロジェクトに当初から関与できることに大きなメリットがあると考えている。
全国建産連およびマイクロソフトは、今後会員向けに以下の施策を開始する。
・経営改革実現のための業務支援システムの紹介
各企業が、ITを用いた経営改革を実現することにより企業体制を構築できるよう両者は強力に支援する。
具体的には、電子入札・電子納品などCALS/ECに代表される業界のIT化に対して、業務の改善・効率化、ISO文書管理、ワークフローの構築などを実現するにあたり、中小建設業のIT化成功事例として、G.system（業務システム）2002を使った解決手法を会員企業に紹介することで、中小建設業のIT化推進を支援していく。こういったIT化の手法・事例は、随時各種のメディアなどを通して会員企業に広くアナウンスしていく。
・両者共催による業務のIT化セミナー等の実施
全国35府県建産連で電子納品講習会・業務のIT化セミナーを開催。講習会では、実機を使用して講習を行う。電子納品の概要解説から、データの管理方法、そして実際に納品に必要なデータをCD-Rに記録する一連の作業までを体験することができ、マイクロソフトはこれに協賛する。
また、併設して両者共催で企業の経営者、役員などを対象に業務のIT化セミナーを開催する。このセミナーではG.system（業務システム）2002 （Microsoft(R) Outlook(R) 2002とMicrosoft Exchange 2000 Serverを基本とするシステム）を用いて、経営者の考え方から企業のIT化のポイントまでの解説の後、実機を用いた具体的な活用方法を体験することができる。
どちらのコースも業界のIT化に対して、具体的な手法を織り交ぜながら学ぶことができるようになっている。この講習会・セミナーでは、総計3 000社を今後1年間の目標受講動員社数としている。業務のIT化セミナーについては、経営者の方々にITをより分かりやすく、かつ経営革新に役立つ内容のセミナーに発展させていく予定で、2006年12月までの目標受講動員社数は22 000社。
・会員企業向けPCの特別価格による提供
全国建産連は、マイクロソフトの最新OS、Microsoft Windows(R) XP Professional搭載のPC（東芝社製ノートPC／デルコンピュータ社製デスクトップPC）を会員向け特別価格で提供。また、国土交通省指定CAD電子納品フォーマット（SXF）対応ソフトウェアである「BV CAD/SXF NFCCバージョン（ビッグバン社製）」のOEM版（会員向け超低価格）のほか、業界で要望の高いソフトウェア・ハードウェアを今後も継続的により安価に幅広く提供する。