トーハン／「Ｗｅｂ－ＴＯＮＥＴＳ」大幅バージョンアップ

（株）トーハンは、総合出版情報ネットワークシステム 「ＳＵＰＥＲ　ＴＯＮＥＴＳ」の構築に取り組んでいるが、書店向け情報インフラの中軸を担う「Ｗｅｂ－ＴＯＮＥＴＳ」の新機能を開発、１０月１日よりサービスを開始する。
「Ｗｅｂ－ＴＯＮＥＴＳ」はインターネット上に展開する書店業務専用のＳＡシステム。店舗運営のための情報ツールを集中させた総合ステーションとして２００１年９月にサービスを開始。書誌検索～発注を始めとした日々の基幹業務をサポートするとともに、各種実績データや商品情報・トピックス情報の参照機能を搭載、店頭の活性化と省力化を推進している。
今回のバージョンアップでは、特に定期雑誌系のサービス充実を図るものとして、雑誌販売実績管理機能やＰＯＳ雑誌売上照会機能を追加。これにより書店では煩雑な定期雑誌の実績管理が不要となり、書店業務を軽減、店舗オペレーションの品質向上を更に推し進める。
なお、「Ｗｅｂ－ＴＯＮＥＴＳ」が当初の開発構想を完成させたことで、既存ＳＡシステムの「ＴＯＮＥＴＳ」「ＣＤ－ＲＯＭシステム」「ＳＵＰＥＲフォン」のサービスは終了する。これら既存ＳＡの機能は後継システムである「Ｗｅｂ－ＴＯＮＥＴＳ」に収める。更に高次元のサービスを提供することで書店業務を強力にバックアップする。
新機能の概要
(1) 「雑誌販売実績管理」機能の追加
・定期雑誌について過去１４号分の仕入・返品・売上等の販売実績を管理。書店は「Ｗｅｂ－ＴＯＮＥＴＳ」にアクセスするだけで、自店におけるアイテム毎の動向を瞬時に参照できる。
・既に開示している送品データに加えて、同社の物流インフラである「東京ロジスティックスセンター」で取得する返品データを集積し日次で更新することで、書店は過去の売上実績を簡単に確認できる。
・同社の提供する「Ａｓｓｉｓｔ－ＰＯＳ」をはじめとするＰＯＳレジを利用すれば、前日までの売上累計を自動算出。加えて発売日から起算した３、５、７、１０日目時点での販売状況も把握可能となる。
・書店では独自に実施していた定期雑誌の煩雑な実績管理が不要となり、業務の軽減を図ることができる。また、データに裏打ちされた適正な定期改正（仕入部数の申告）が随時可能になるとともに、陳列商品のジャンル構成見直し等も容易となり、販売機会の損失を防止できる。
(2) 「ＰＯＳ雑誌売上照会」機能の追加
・ＰＯＳシステムでの定期雑誌の売上銘柄一覧が日別単位で参照可能となる他、売上冊数・売上金額の合計も確認できる。
・ジャンル毎の抽出やデータの並べ替えも可能。アイテムを指定すれば(1)の「雑誌実績管理」の詳細画面に遷移し、過去の実績を参照しながら定期改正を行うことができる。
(3) 「出荷ご案内」「新刊ご案内」機能の強化
・「出荷ご案内」「新刊ご案内」では書店毎の送品明細や同社が配本する新刊の全銘柄を参照できるが、今回の機能強化では、これに商品名・商品コード・ジャンルからの検索・抽出機能を付加。
・書店では売れ筋商品の入荷状況をチェックすることで迅速な対応が可能となり、顧客ニーズの充足と集客力アップに寄与します。また、ジャンル毎の入荷銘柄及び入荷量を把握することにより、効率的な陳列計画を立てることができる。
(4) 「発注履歴照会」機能の強化
・客注履歴データについて、明細毎に注釈コメントや顧客引渡状況が入力可能。
・出荷処理の追跡状況もより詳細に表示。送品日付・処理状況・顧客情報等からの検索条件も拡充。客注台帳としての機能を大幅に向上させる。
・同社では既に客注専用の物流・情報インフラとしてブックライナー「本の特急便」を稼動させているが、既存物流ルートによる客注に関しても、「Ｗｅｂ－ＴＯＮＥＴＳ」を通してサービス向上を図る。
なお、「Ｗｅｂ－ＴＯＮＥＴＳ」は、連携するＳＡシステム「Ａｓｓｉｓｔ－ＰＯＳ」（ＰＯＳレジ）及び「Ｆｌａｓｈ－ＨＴ８」（ハンディターミナル）のデータも集積・参照可能となることから、同社ではセットでの導入を推奨している。
今回のバージョンアップは、取引先書店の販売力強化に有用な各種データを提供し、マーチャンダイジング機能の底上げを図るとともに魅力的な店舗作りをバックアップすることを趣旨としており、書店店頭の活性化、経営効率化をサポートする。
また、「東京ロジスティックスセンター」とのネットワークが実現したことで、雑誌ＳＣＭにおける書店店頭でのオペレーションがより効果的に機能し、書籍物流のインフラとして現在推進中の書籍一環流通システム「桶川計画」とのネットワークも見据え、次世代の出版流通を担う物流・情報システムの実現を目指している。