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トーハン/桶川SCMセンター全面稼働

2007年10月09日/物流施設

(株)トーハンは、書籍注文品流通の物流拠点「トーハン桶川SCMセンター」を全面稼働した。

同センターは、書籍注文品の送品から返品まで一連の物流拠点を集約し、物流とあらゆる流通情報を取得して読者ニーズの多様化、多品種少量型の出版傾向に対応。最新鋭の設備を導入して、平成18年4月に返品部門が稼働した。

その後分散していた首都圏の在庫拠点を移転し、平成19年1月に注文(送品)部門が稼働開始。以降順次稼働範囲を拡大し、全面稼働となった。また現在地方拠点21ヶ所の在庫統合も順次進めており、年内に完了する。

これにより80万点、1,800万冊の在庫となり、多様化する読者ニーズに迅速に対応し、24時間365日稼働で、1日当り送品190万冊、返品65万冊の処理を行う。

書籍流通は、平成18年の新刊発行点数は77,722点で、読者ニーズの多様化に伴い、多品種少量型の出版傾向が進んでいます。これにより、書店店頭では需要と供給のミスマッチが拡大、返品増を招いている。

センターでは、書店への送品データ、各店舗の販売データ、さらに書店からの返品データをリアルタイムで取得し、業界三者が共有することで出版SCMを構築。流通のムダやロスを排除するとともに、取得したデータを活用して需要の予測や掘り起こしを図る戦略的な営業により需要と供給のミスマッチを解消。“読者が欲しい本を欲しい時に手に入れる”ことのできる市場をめざしている。

返品部門は、自動検品システムと高速仕分け機(ブックソーター)により、返品物流のドラスティックな改革が実現しました。書店からの返品を一冊一冊読取り、入帳データを作成することで、書店での「返品伝票作成業務」が削減され、迅速で正確な入帳処理を実施している。

また、商品の仕分けをFA化することで出版社の「返品引取り時の検品レス」も可能とし、業界全体の作業コスト削減に寄与している。

注文品(送品)部門では、書店別高速自動仕分け機(ブックソーター=写真)を導入し、注文物流の大幅なFA化により、注文品の書店到着までのリードタイム短縮と事故の無い高品質物流を提供。

現在、出版社とのオンラインによるデータ交換を推進し、書店の注文が今どの段階まで作業が進捗しているかを確認できるトレイサビリティ(注文品追跡機能)も実現している。

一方で、迅速で効率的な商品供給を実現する桶川SCMセンターで集積したデータを最大限に活用して、新たな営業施策を推進し、営業担当者が訪店時には、データ分析を基に取引先書店の環境と客層に応じた品揃えや売場づくり、市場の分析と実績に基づいた需要予測など、個店毎にカスタマイズした提案を行える。

取引先書店と情報を共有し、より高度化した提案型営業で、読者ニーズへの対応、増売をサポートする。

推進中の主な営業施策
1.販売機会損失防止と売り伸ばしのための新刊追送システム
一部の売行きの良い新刊書籍やコミック・ムック、主要雑誌を在庫する新刊追送センターを本社内に新設。配本された新刊を完売する前に自動的に追加送品し、売れ筋商品の品切れを回避することで販売機会を逃さず売り伸ばしを図り、未配本店に対する売行良好書のフォロー送品としても機能する。
なお、その他の新刊は桶川SCMセンターに在庫し、受注ヒット率を高め、迅速な供給態勢を整える。

2.店頭品揃えの最適化を図る発注推奨システム
桶川SCMセンターで取得したデータを解析して個店毎に最適な品揃えを算出し、基本在庫をセミオート管理し、発注や抜き取りを提示する。画一的な定番在庫ではなく書店毎にカスタマイズすることで、顧客の“読みたい”気持ちに応える品揃えを実現する。

3.桶川データ欠本補充システム
桶川SCMセンターで取得したデータから、全国的には売行き良好だが、品薄状態にある銘柄を個店毎に抽出し、発注を提案。同時に桶川SCMセンターの在庫とも連動して迅速・確実な供給態勢で、潜在需要の掘り起こしを図る。

この他にも、新たな営業施策を準備中で、順次スタートさせる予定で、今年度中に新・営業体制を確立し、取引先書店と共に販売革新を推し進め、トーハン桶川SCMセンターの完全稼働による物流・営業改革を通じた出版SCMの実現と出版市場の活性化を目指す。

トーハン桶川SCMセンター概要
所在地:埼玉県桶川市大字上日出谷字原新田1202-1
敷地面積65,400㎡(19,800坪)
延床面積76,300㎡(23,100坪)

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