日本電気(株)は、パソコン事業において、販売部門から海外生産拠点、部品供給ベンダーまでの需給管理を仮想的に統合することで、実売状況から部材調達状況まで一貫した需給管理体制を確立し、市場の変化に迅速に対応した商品供給を可能とする新たなSCMシステム「VCM(Value Chain Management:バリューチェーンマネジメント)システム」を11月から本格稼働した。
「VCMシステム」は、販売部門から生産部門、部品供給ベンダー、海外生産拠点のEMSまでを1つの企業のように仮想的に統合して、バリューチェーン全体の高速化と効率化を実現。これにより、売上実績に基づく計画立案から生産・出荷までを最短4日とし、現行よりも1週間短縮する。
この「VCMシステム」は、販売予測や販売計画の高速自動立案などを行なう「販売側システム」と、生産計画の高速自動立案や部品情報の一元管理などを行なう「生産側システム」で構成しており、「販売側システム」をことし8月から順次稼働し、「生産側システム」を含めて本格稼働するもの。
システムの特徴
・販売予測精度の改善と販売計画の高速自動立案
販売店の直近の実売状況や在庫状況、および過去の販売実績や季節変動要因、更に各社が過去に発表した新商品時期や値下げ情報などを統計分析し、販売予測精度の改善とともに販売計画の高速自動立案を行なう。
・生産計画の高速自動立案と部品需給情報の一元管理
販売計画にもとづき、生産能力や必要な部品の入手可能状況を的確に生産計画へ反映し、実現可能な生産計画の高速自動立案を行なう。
また、部品の入手可能状況を把握するために、海外生産拠点や部品供給ベンダーに対して先々必要な部品などの需要数と海外生産拠点や部品供給ベンダーからの供給可能数を一元管理する。
・需給計画の意思決定を迅速化
販売計画から部品調達、さらには生産計画までを同一システム上で実現しており、各々の情報を一元管理することで需給計画の意思決定を迅速化する。
NECでは、これらの特長を備えた「VCMシステム」の導入によって、土曜日・日曜日を中心とした先週の実売状況にもとづく販売計画の見直しから商品供給までの期間を従来から1週間短縮した。
これにより、市場の変化に迅速かつ柔軟に対応した商品供給を実現。さらにNECでは、今後、国内外の部品供給ベンダーとの連携を強化し、部材供給量や納期などの遵守精度向上を図っていく。
なお、「VCMシステム」では、製造業向けSCMソリューション分野で提携したi2テクノロジーズ・ジャパン(株)のSCMプラニングソフトを導入し、関係グループ会社の複数のシステムとの連携を実現している。
NECでは、変化の激しいパソコン市場の中で、販売チャンスを確実にとらえ、また一方で過剰な製品在庫を発生させないためにも、販売予測精度の向上、毎週の販売予測変化を迅速に生産計画に反映することなどに注力し、約30億円の投資額によりシステムを構築した。
今後は、販売計画の早期立案をビジネス向けパソコンやWeb販売専用パソコンにも適用拡大することにより、全パソコン商品に対応した「VCMシステム」を今年度内に完成させる予定で、市場の変化に合わせた商品の迅速な供給を進める。
注:11月では第一次計画として、販売計画の早期立案を個人向けパソコンで、生産計画の早期立案を全パソコンで開始。今年度内に販売計画面においても全パソコンに対象を拡大する予定。
注:一元管理を実現するために、主要部品供給ベンダーやEMS先にNECグローバル調達システム(GNPS)を導入。
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NEC/パソコン事業で新SCMシステム「バリューチェーンマネジメントシステム」本格稼働
2002年11月07日/未分類
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