日本貿易振興会/ジェトロは2002年11月、アジア11カ国・地域に進出している日系製造業企業3 967社を対象にアンケート調査を実施した(有効回答数1 519社、有効回答率38.3%)。
(1)黒字企業が増加、今年も前年並み以上の見通し
日系製造業企業の2002年営業損益は、71%が黒字を見込み、前回調査の69%からさらに改善した。このうち、営業損益が前年に比べ「改善した」と回答した企業は51%、「横ばい」が23%、「悪化」は26%であった。2003年見通しでは、前年比で「横ばい」と回答する企業の割合が23%から35%へと増加し、改善、横ばい合計は80%を超えた。なかでも「改善」を予想する企業の割合は、インドが最多の81%、次いでベトナム66%、中国54%、タイ53%と、これらの国の好況を反映している。
(2)「中国製品」との競争を国内市場、輸出先で強く意識
日系製造業企業の約9割が、過去1~2年間で競争が厳しくなったと回答、その97%は販売価格面での競争を挙げた。進出国・地域市場における他の生産メーカーとの競争状況をみると、ASEANで「進出日系企業」を競争相手とする回答が第1位となったが、ASEAN以外では「地場企業」との回答が最も多かった。一方、進出国・地域市場での輸入品との競争状況は、ASEANでは「中国製」と回答した企業が約6割と圧倒的に多かったのに対し、中国では「日本製」(42%)、「台湾製」(37%)、「欧州製」(31%)などと拮抗している。
海外市場での競争状況をみても、ASEAN、中国ともに、中国企業や中国進出日系企業が競争相手であるとの回答が上位を占めており、内外を問わず、中国製品との競争激化が強く意識されている。
(3)コスト削減のカギは現地調達の拡大だが、半数が現地調達の難しさを指摘
販売価格面での競争が厳しくなる中で、競争力向上に必要な手段として79%の企業が「一層のコスト削減」を挙げた。一般的に製造コストに占める割合が大きい原材料・部品の調達コストについては、削減に有効な手段として「現地調達の拡大」を挙げた企業の割合が最も大きかった。
現地調達率51%以上の企業の割合は、中国進出企業では既に47%に上り、ASEANでも37%に達しているが、一方で、生産面の問題点として、「部品・原材料の現地調達の難しさ」を指摘する企業の割合も、中国(49%)、ASEAN(44%)ともに半数近い。これは、日系企業が要求する品質水準を満たす地場企業の発掘が難しいことが背景にあると見られる。
(4)事業拡大基調続く中国、インド、タイ
半数以上が今後1~2年で事業規模を拡大すると回答。前回調査と比較しても、追加投資による事業規模拡大と回答する企業の割合は全体ではやや高まっている。特に営業損益の改善が進んだ中国、インド、タイで増加した。反対にシンガポールと韓国では、事業規模を縮小すると回答した企業の割合が前回調査と比べて増加した。
(5)期待が高い「日本・ASEAN」FTA
今回の調査では、初めて効果が大きい自由貿易協定(FTA)についてたずねたところ、ASEAN進出日系企業の約半数が、日本・ASEANのFTAとAFTA域内関税の無税化を挙げた。日本・ASEANのFTAの効果を期待する回答は、タイ(64%)、フィリピン(54%)、ベトナム(54%)、インドネシア(52%)が高い。シンガポール(35%)、マレーシア(34%)ではやや低かった。
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ジェトロ/在アジア日系製造業活動実態調査(2002年度)
2003年02月02日/未分類
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