ガートナー ジャパン(株)は、今後普及が期待されるICカードの潜在需要に関して、一般ビジネスマンを対象に意識調査を行った。
それによると、日常持ち歩くカード類が増え、その取り扱いに多くの人が不便を感じ、ICチップ搭載のICカードに複数のカード内容をまとめて取り扱いたい意向が強くなっていることがわかった。
CPUとメモリを持ち、当面最小単位のコンピュータとなるICカードは今後ユビキュタス・コンピューティング社会を支える上で重要なテクノロジとなりますが、本格普及を前にビジネスマンからは良好な評価を得ていることがわかった。
今回の調査によりますと、まず、ビジネスマンが常時携帯するカード枚数は平均で16.5枚。枚数の多い順に、ショッピング・ポイントカード、クレジットカード、キャッシュカード。
航空会社のマイレージカードに見られるように、リピーター顧客の確保を狙ったショッピング・ポイントカードが定着し、最大勢力を占めるようになった。
ほとんどのショッピングカードは磁気カードで非常に薄いため携帯にかさばることはないものの、この種のカードが大量に普及してきたため携帯するカード枚数が増え、「必要なときにすぐに取り出せない」など取り扱いを煩雑にしているといえる。
多くなったカードに対し、67.3%の人が「不便」を感じており、カードの機能をまとめることに「利便性を感じるか」といった問いに対し、38.8%の人が「非常に利便性が高いと思う」と答え、51.7%の人が「ある程度高いと思う」と肯定的な見方を示している。
ここで注目したいのは、カードの取り扱いに不便を感じていなかった人でもカード機能の取りまとめに対しては賛意を示しており、ICカードでマルチアプリケーションが可能になるなら、また1枚のカードで多くの種類のサービスが受けられるならそれだけでも十分価値を感じ、高い需要があるものと考えられる。
ビジネスマンのICカードに対する需要が高くなった背景には、700万枚発行に迫るといわれるJR東日本のSuicaの普及によるところが大きいものとみられる。
「ICカードと聞いて思いつくもの」として、78.1%の人がSuicaをあげており、2位のVISAカード(26.3%)に大差をつけた。Suicaは非接触型マルチアプリケーション対応で、CPUで暗号化されるため、プライバシーの面でも、偽造などの犯罪に対しても従来の磁気カードに比べ安全性が高いとされ、複数のカード機能をまとめられる点でカード社会からユビキュタス・コンピューティング社会への移行を促進するものと期待されている。
e-Japan構想の一環として、各省庁からは免許証、保険証、医療介護、福祉、印鑑証明、などでもICカードを活用するアイデアが出され、検討、実験が行われている。今年8月には、住民基本台帳カード(非接触型マルチアプリケーション対応)の配布が自治体から行われるが、これを機に、ICカードの利便性、あるいは危険性についての論議が深まり、ICカードへの意識、関心がより一層高まるものと期待される。
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ガートナー ジャパン/ICカードの利用意識調査結果を発表
2003年03月20日/未分類
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