アルプス物流／平成１５年３月期決算経営成績、次期見通し

(株)アルプス物流の平成１５年３月期決算経営成績、次期見通しは下記の通り。
（１）業績概況
我が国経済は一部に持ち直しの動きが見えたものの、米国経済の先行き懸念、株式市場の低迷やデフレ傾向などにより生産や個人消費、設備投資など引き続き厳しい状況が続いた。物流業界におきましても、国際貨物に明るさが見られたものの、総じて先行きの不透明感などにより貨物量の低迷が続いた。
このような事業環境のもと、当社及びグループ各社は当面の利益確保を最優先課題として損益分岐点管理の徹底やフォワーディング業務の自営化など事業運営の効率化に積極的に取組み、事業体質の強化を図った。
また、顧客のグローバルな物流ニーズに対応するため、天津泰達国際倉儲運輸の大連支店の開設や広東アルプス物流の倉庫棟の竣工、アルプス・ロジスティックス（ USＡ ）の設立など拠点・ネットワークの拡充に努めた。
また、消費物流を担う（株）流通サービスでは取扱貨物量の増加と冷凍冷蔵品に対する需要の増加に対応するため、現・騎西物流センターＡ棟の隣接地を取得して、三温度帯(冷凍・冷蔵・常温) の物流基地として同センターＢ 棟を着工している。
セグメント別の概況は次の通り。
当期の国内物流事業は電気関連メーカーの在庫調整の完了やAV・ゲーム、車載関連製品などの好調さを受けるとともに顧客のSCMニーズに対応することにより、部品物流分野の取扱量は増加した。
また、消費物流分野も生協物流のアウトソーシングの進展などにより流通加工、個配運送など大幅な受託量の増加となった。
これらの結果、当期の売上高は25 839百万円（前年同期比2 485百万円増） となり、営業利益は2 020百万円（前年同期比437百万円増）。
国際物流事業では電子部品メーカーなどの中国を中心とする生産展開への対応と中国内拠点及びその機能の拡充に努めたこともあり、受託貨物量の拡大となった。これらの結果、売上高は7 133百万円（前年同期比2 281百万円増）となり、営業利益は1 555百万円（前年同期比586百万円増）となった。
また、商品販売事業では顧客の需要増と国内外での拡販などにより、売上高は6 160百万円(前年同期比1 002百万円増)となり、営業利益は223百万円(前年同期比60百万円増)となった。
以上により、当期の連結業績は売上高で39 132百万円（前年同期比5 772百万円、17.3%増）となり、営業利益は3 799 百万円（ 前年同期比1 080百万円、39.8%増）、経常利益3 701百万円（前年同期比1 009百万円、37.5%増）そして当期純利益は1 977百万円（前年同期比658百万円、49.9%増）となった。
（３） 次期の見通し
今後の経済に関してはイラク戦争が終結したものの米国を中心とした世界経済の先行きは依然として不透明な状況。
当社を取り巻く環境についても、景気・株価の低迷、デフレの継続に加え顧客の海外生産展開などにより国内の取扱貨物量の増加が期待できない厳しい事業環境が見込まれ、電子部品の物流軌道が中国を中心に拡大を続けており、ますます物流のグローバル化と合理化ニーズが高まって行くものと考えている。
このような中、当社及びグループ各社は引き続き国内外の拠点及びネットワークの強化拡充を推し進めると同時に専門物流分野で顧客ニーズに適した物流システムを開発し提案活動と拡販を進める。
現時点における平成１６年３月期の業績見通しにつきましては、下記を予想している。
＜連結業績見通し＞
売上高４０ ３００百万円(前期比３.０％増)
営業利益３ ８００百万円(前期比０.０％増)
経常利益３ ７６０百万円(前期比１.６％増)
当期純利益1 ８６０百万円(前期比５.９％減)
＜単独業績見通し＞
売上高２２ ２００百万円(前期比０.９％減)
営業利益２ １００百万円(前期比１.７％減)
経常利益２ ２００百万円(前期比０.２％減)
当期純利益1 ２００百万円(前期比０.６％減)