札幌通運(株)の平成15年3月期の経営成績と次期見通しは下記の通り。
経営成績
当連結会計年度におけるわが国経済は、年度当初はアジアを中心とした輸出の回復やIT(情報技術)関連財の在庫調整の終了を背景に製造業主導で景気回復の兆しが見受けられましたものの、依然として個人消費や設備投資の低迷が続き、国内景気は総じて低調に推移いたしました。
また、米国主導によるイラク侵攻が現実なものとなり、これによるテロへの懸念とあいまって、世界的に経済環境が悪化し景気の停滞感は一層強いものとなりました。
運輸業界におきましても、こうした景気停滞を反映して、低迷する輸送需要を巡る同業者間のシェア競争が激化するなか、運賃単価の下落に歯止めがかからず、極めて厳しい経営環境が続きました。
このような状況のもと、同社グループは「顧客ニーズへの対応」と「輸送品質の向上」を最重点課題として、全社を挙げた事業活動を展開してまいりました。
これら課題への対応策として平成14年9月、札幌市北区に市内二番目の物流拠点となるトラックターミナルを新設したことに加え、首都圏における積極的な営業活動を展開してまいりました結果、売上高は前連結会計年度比5.6%増の297億4千6百万円を計上することができました。
一方、利益面につきましては、従前に引き続きコストの抑制と業務全般にわたる効率化を図りましたが、退職給付債務を算出するための割引率と期待運用収益率の引下げによる4億円の人件費負担増もあり、経常利益で前連結会計年度比44.4%減の2億6千9百万円、当期純利益では前連結会計年度比31.2%減の1億3千9百万円となりました。
なお、当期の株主配当につきましては、例年同様1株当たり7円を予定しています。
次期の見通し
今後のわが国経済は、不安定な金融システムや長引く個人消費の低迷により企業業績の好転は見込まれず、また、世界経済の牽引役でもある米国の景気についても先行きが懸念されていることから、依然として厳しい状況のまま推移するものと思われます。
運輸業界におきましても、景気低迷を反映して運賃単価の下落傾向に歯止めがかからず、荷主企業の物流合理化が進むなか、同業者間の競争は増々熾烈化することに加え、平成15年9月から義務付けられる速度抑制装置の装着、10月より施行されるNOx・PM法や地方自治体の環境条例への対応等、コストの増加要因が山積していることから、安全・環境問題への対応如何が今後の業績を大きく左右することが予想されます。
このような状況に対処するため、同社グループはこれまで以上にローコスト体制への取り組みと提案型営業を強化するとともに、本州地区における本格的な総合物流拠点として、本年7月に東京都品川区八潮に大型の営業倉庫を開設し、多様化する顧客ニーズに即応できる輸送システムの構築に取り組む一方、市場性のある地域と収益性の高い部門に資源をシフトさせ、経営基盤のより一層の充実強化を図って参ります。
以上により売上高は前連結会計年度比7.6%増の320億円、経常利益は前連結会計年度比137.8%増の6億4千万円、当期純利益は2億6千万円を予想しています。
配当につきましては、長期的に安定した配当を継続するという基本政策のもと、例年同様1株当たり7円の普通配当を予定しています。
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札幌通運/平成15年3月期の経営成績と次期見通し
2003年05月25日/未分類
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