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伊藤忠商事/食品スーパー、総合スーパー、コンビニエンスストアのリテールサポート事業会社設立

2003年08月07日/未分類

伊藤忠商事(株)は、今期より生活消費関連分野を「Super A&P」分野と位置づけ、経営資源の拡大投下による本分野の強化を経営戦略の中核に位置づけている。
この生活消費関連分野において、製品の最終消費者である生活者との接点を担う小売業、なかでも食品スーパー(以下:食品SM)、総合スーパー(以下:GMS)、コンビニエンスストア(以下:CVS)等の小売業が抱える経営課題に対し、ITやグループ経営資源を用いた様々なソリューションの企画、開発を行い、その提供を通してこれら小売業の競争力強化と成長基盤の確立を支援する事業会社を設立した。
本事業会社を核として、伊藤忠商事が展開するその他の既存事業(「省エネサポートサービス」、「店舗設備管理効率化サービス(マイスターエンジニアリング他)」、「金融事業サービス(ポケットカード)」、「物流サービス」)など、リテールサポートにおける様々な商社機能を結集し、食品卸やメーカーが提供する同機能と一体化、機能強化させることにより、小売業の営業力強化やローコストオペレーションの実現に貢献する。
また同時に、リテールサポートを起点に消費者情報、店舗販売情報、在庫情報、生産情報など消費から生産に至る一貫した流通情報を一元管理できる情報基盤を構築することによって小売、卸、メーカーのコラボレーションを支援し、流通の全体最適化の実現を目指す。
Super A&P:収益構造を変えていく為に、事業分野を選択し、経営資源を集中する当社の戦略を「Attractive &Powerful(A&P)戦略」と称している。同社がお客様にとり「Attractive」即ち魅力があり、当社が強く競争力のある「Powerful」な分野に投資し、ヒト・モノを含む経営資源を重点配分し、収益力を強化する。
事業会社の概要
社名:(株)リーテイル・ネット
設立:平成15年7月1日
所在地:東京都港区北青山
資本金:5 550万円
株主構成:伊藤忠商事株式会社 100%
代表者:黒川 清裕
事業内容
当初は以下4事業を中心に展開予定で、将来的には小売業のみならず、卸、メーカーの流通業界における様々な課題を解決すべく、総合的なソリューション事業を展開する。
(1) FSP・CRMサポート事業 
本事業では、サービス名を「モバイルFSP」として以下のサービスを提供。
消費者が常時携行する携帯電話を電子会員証として会員を組織化し、電子クーポン(二次元バーコード)付き販促メールをはじめとする多様なコミュニケーションを実践するための環境をASPサービスとして提供する。また、メーカーへは本サービスの環境を利用した小売との共同販促を通して最終消費者との"ダイレクトコミュニケーション"実践環境を提供する。
「モバイルFSP」サービスは、(株)日立製作所、(株)NTTドコモ関西との共同事業。
FSP: Frequent Shoppers Program、顧客を購入金額や来店頻度によって選別し、セグメント別にサービスや特典を変えることによって効率的な販売戦略を展開し、「優良顧客の維持」、「見込み客の優良顧客への育成」を実行するプログラム。
(2) カテゴリーマネジメントサポート事業
本事業では、卸のリテールサポート力を強化することにより小売の販売拡大へ貢献。既に小売から受領したPOSデータの活用によるリテールサポートに取組んでいる卸には、情報分析に基づく各種施策(棚割り、販促計画、価格設定などの基本施策)を立案するための共通情報基盤インフラを構築しDC(データセンター)として利用。
今後POS情報を活用したリテールサポートに取り組もうとしている卸には、卸自身が自立的に小売へアプローチできるよう、棚割り(狭義のMD(マーチャンダイジング:商品の最適調達))・販促計画・価格設定などの基本施策の立案に必要なPOS情報分析ノウハウの提供と教育をおこなう。
(3) ギフトソリューション事業
本事業は、以下の2つのサービスを予定している。
1) 産直ギフト拡充サービス
日本全国の産直品を食品SM・GMS向けギフト(中元・歳暮)用に調達・提供し、取扱い小売からの受注と各産直業者への発注(配送手配)を一括して請け負う。
2) 配送業務一括受託サービス
中元・歳暮ギフト取扱いにおける一連の業務、すなわち「DM発送」から「顧客からの注文受付以降の配送業務」を一括受託することにより、小売業においてシーズン中に集中する膨大な業務負担の軽減とローコスト化を実現。
(4) IGA事業
IGA(Independent Grocers Alliance)は、米国において大手広域量販店の急成長に対し、スーパーバリュー、フレミング等の食品卸売業により地域に密着した中小小売業の活性化と支援(リテールサポート)を目的として設立。構成メンバーは独立食品SM、食品卸、コカコーラに代表される有力メーカーで、現在、世界43カ国に展開している(加盟店舗数4400店、加盟店の総売上高は210億ドルであり世界最大の独立食品SMの同盟組織です)。
本事業会社は、別の伊藤忠グループ企業が所有していたIGAリテールサポートプログラムのライセンスを譲受し、日本型プログラムの付加・他の3事業(FSP・カテゴリーマネジメント・ギフトソリューション)との相乗効果によりリテールサポート機能の一層の強化をはかり、独立系SMの経営サポート、販売サポート、ローコストオペレーションサポート等を実現する。(共同商品調達機能は提供致しません)
(4)中長期展開
流通各段階ごと、個社ごとの個別最適の枠組みを超え、消費者起点の流通全体最適を目指し、日本型CPFRモデル(卸をデマンド・サプライチェーンのハブとした3層コラボレーションモデル)の構築の推進とそれを支えるCPFR実践基盤(CPFR Collaboration Platform)の構築、運用を担うことにより、リテールサポートと両輪で食品流通業界の活性化に貢献していく予定。
CPFR:Collaborative Planning Forecasting and Replenishment、メーカー・卸・小売3者が情報を共有し、共同して需要予測・製造販売計画・在庫補充を行うこと。生配販3層の在庫最適化を目指す共同取組。

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