住友商事／九州生コン製造大手、ホリデングループ買収

住友商事（株）は、事業子会社である住商セメント（株）を通じて九州、福岡地区の生コン製造販売大手であるホリデングループを買収した。
ホリデングループは傘下に生コン製造会社２社（５工場）を保有、年間出荷約２０万立米と福岡地区における生コン製造最大手の１社であると同時に、住友大阪セメント（株）の九州地区におけるセメントの主力販売店。（２００３年８月期のグループ連結売上約６５億円、従業員約１００名。）
住友商事は東京、大阪地区での生コン流通販売において商社業界トップの地位を築いているが、今後の事業方針として生コン製造分野への進出を掲げ、今回は住友商事として初の製造分野への本格的進出を果たすとともに、九州地区における営業基盤の確保を実現した。
住友商事では、ゼネコンを中心としたエンドユーザーに対する生コンの販売と原材料であるセメント・骨材の生コンメーカー向けの販売をコア事業と位置付け、トップ商社の地位を築き上げている。
全体の需要が縮小傾向となるなか、今後は東京・大阪を中心とした営業基盤に加え、さらなるセメント事業拡大のための戦略分野として生コン製造分野への本格進出及び地域展開を掲げ検討を進めていた。
地域展開は事業子会社である住商セメントを通じ、府中、宇都宮、神戸、広島、新潟、岡山に営業所を開設し着実に営業地域を拡大すると同時に、過去２年にわたり製造分野への進出を検討していた。
今回買収を実現したホリデングループは１９６２年に同社の創業者が設立した会社を母体として、１９７６年に生コン製造部門への本格的な進出を開始、バブル期には福岡県周辺も含め１３工場を保有にするにいたった。
その後バブル景気に崩壊に伴いグループ全体で不良債権、不動産投資の処理を迫られたが、市況回復に伴う収益向上及び財務体質改善策が成果をあげており、今回不良性資産の処理に一定の目処がたったことから、住友商事グループへの株式売却を決意した。
福岡県の２００２年度の生コン出荷実績は５３０万立米と埼玉県、千葉県と同等の市場規模であり、九州地区における最大の市場。
ホリデングループは福岡県の中でも２５０万立米の需要を誇り比較的市況の安定している福岡地区生コン協同組合に傘下３工場の拠点を有し、今回住友商事では、九州地区における住友大阪セメントの主力販売店としての優良な営業基盤を獲得できること、九州最大の市場において一定規模のシェアを保有する製造拠点を確保できることから、同社の買収を決定した。