安田倉庫／平成16年3月期 中間決算短信（連結）

安田倉庫（株）の平成16年3月期の中間決算短信（連結）の経営成績は下記の通り。
当中間期の概況
（１）全般の概況
当中間期のわが国経済は、株価の持ち直しや設備投資の回復傾向など明るい材料が見られるものの、本格的な景気回復にはほど遠く、依然として厳しい状況のうちに推移した。
倉庫物流業界も顧客の合理化要請はますます強まり、物流業者間の競争は熾烈さを極めている。
他方、懸念されたイラク戦争やSARS禍などの国際的な要因による物流面での悪影響は軽微なものにとどまった。
不動産業界は、いわゆる2003年問題という厳しい市況環境で推移した。
同社グループ物流部門において当期の戦略である物流アウトソーシング業務の受託に向けて積極的に営業活動を展開し、新規顧客獲得に邁進するとともに、同社の持つ高機能情報システムと首都圏に立地する優位性を十分に活かし、顧客ニーズに迅速かつ適切な対応を図った。
また、芙蓉エアカーゴ（株）をこの４月に完全子会社化し、航空貨物取扱業務の充実を図った。
不動産部門は、既存施設の高稼働率の維持に努めた。
また、本年２月に竣工した守屋町営業所Ｃ号ビルが期初よりフル稼働している。
この結果営業収益は前年同期比972百万円増(8.3％増)の12 645百万円となりました前述の守屋町Ｃ号ビルの事業所税・登記費用等で72百万円、札幌の新規取得倉庫の改修等で57百万円ほどの費用発生があったため、営業利益においては前年同期比43百万円減(3.2％減)の1 307百万円、経常利益は前年同期比11百万円減(0.9％減)の1 178百万円となった。
また、特別損益では横浜の配送センター建設のための既存施設取り壊し等で合計100百万円の特別損失が発生したが、前期のような投資有価証券評価損(前年同期318百万円)が発生しなかったこともあり、当期純利益は前年同期比112百万円増(22.6％増)の610百万円になった。
（２）セグメント別の概況
（物流事業）
物流事業部門は、顧客から引き続き厳しいコスト削減要求があった。
同社グループは戦略としております物流アウトソーシング業務の一括受託に注力し、数件の新規案件をスタートさせた。
保管料収入は低迷したが、荷役荷捌料収入、特に流通加工作業が好調に推移した。
陸運料収入は、オフィス引越需要を捉え引越作業の受注は好調でしたが、輸配送では厳しい業者間競争のため苦戦を強いられた。
港運料収入はSARSの影響は軽微であり、日中間のアパレル輸送を中心に堅調に推移した。
この結果、物流事業全体の営業収益は前年同期比519百万円増(5.5％増)の9 955百万円となった。
新規取扱案件立ち上げによる一時費用、札幌の新規取得倉庫に対する一時費用等の発生もあり、営業利益では前年同期比182百万円減(14.3％減)の1 090百万円となった。
(不動産事業)
不動産事業は、引き続き低迷する不動産賃貸市況のなか既存設備の高稼働率維持に努める他、新規に守屋町Ｃ号ビルが業績拡大に寄与した。
営業収益は前年同期比485百万円増(20.0％増)の2 919百万円で、営業利益は前年同期比165百万円増(19.8％増)の1 001百万円となった。
通期の見通し
今後の見通しは、経済は依然として本格的な回復には至らず、厳しい状況で推移するものと予測される。
同社グループは、物流事業においては取扱が決定している新規案件を順調に立ち上げるとともに、引き続き物流アウトソーシングニーズ獲得の営業を強化し営業収益拡大に努める。
また、来年２月に稼働する新平和島倉庫(14 878㎡)が、今期はもとより来期以降の業績に寄与するものと推測される。
不動産事業部門では本年９月に竣工した第６安田ビルを早期フル稼働させるとともに、既存施設の高稼働率維持に努める。
その結果、現段階での通期の見通しは、以下の通り連結業績・個別業績ともに前期比増収増益を予想している。
＜連結業績見通し＞
予想額／前期比／増減率
営業収益25 500百万円9.9％増
営業利益2 700百万円6.0％増
経常利益2 400百万円7.1％増
当期純利益1 300百万円44.6％増
＜個別業績見通し＞
予想額／前期比／増減率
営業収益21 500百万円4.6％増
営業利益2 100百万円11.1％増
経常利益2 000百万円13.1％増
当期純利益1 100百万円56.0％増