(株)日立製作所と日本オラクル(株)は、物流会社向けの次世代ロジスティクスシステムである「リアルタイム・トレイサビリティ・システム」を共同開発した。
同システムは、日立の開発した世界最小クラスの非接触ICチップである「ミューチップ」と日本オラクルの位置情報を活用したシステム開発を支援するためのフレームワークである「Oracle LBS(Location Based Services)フレームワーク」、既存の位置情報システム(以下:GPS)を組み合せて開発したもの。
近年、物流業界では、小口輸送や時間指定配送、配送情報のメール通知サービスなど、多様な配送形態やきめ細やかなサービスが求められており、こうしたニーズに対応した物流システムの高度化が求められている。
現在、この物流システムを支える基盤技術として、さまざまな場面でバーコードが活用されているが、光学式の個体認識技術であるバーコードは、個別のスキャンが必要であること、保持できる情報量が少ないこと、汚れや形状の変化に弱いといった短所がある。
このため、バーコードを用いた従来のシステムでは、荷物の行き先や時間など配送条件変更の即時把握やシステム化された情報による最適な配送ルートの選択を行うことが難しいといった課題がある。
こうした問題を解決するため日立と日本オラクルは、主に物流会社向けの次世代ロジスティクスシステムである「リアルタイム・トレイサビリティ・システム」を共同で開発した。
同システムは、配達する荷物の箱、もしくは箱の中の荷物、伝票などに取り付けた「ミューチップ」のID番号を、ドライバーが持つミューチップリーダと既存のGPS受信機を取り付けたPDAなどの端末で読み取り、その情報をGPSを通して、「Oracle LBSフレームワーク」を用いて構築された物流センターのシステムに送ることで、「配送車が今どこを走っているか」「検索の対象となる荷物がどこにあるか」などの車両情報や荷物情報、位置情報、時刻などをリアルタイムに把握することができる。
また、「ミューチップ」のタグを用いることから、情報の高い真正性が保証されるほか、荷物一つひとつの管理が行え、行き先や時間など配送条件の変更にも即時に対応でき、常に最適な配送ルートを選択することも可能になる。
さらに、非接触ICチップである「ミューチップ」を使用することから、あらかじめ荷物の配送先や配送指定時間などの情報をシステムに登録しておけば、箱を開けなくても荷物の情報を読み取ることができ、伝票の記載なども不要になる。
バーコードと異なり、汚れや形状の変化によりデータを読み込むことができないということも無くなる。
「リアルタイム・トレイサビリティ・システム」は、2004年1月から実証実験向けのサンプルを出荷する。
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日立製作所、日本オラクル/ミューチップの物流会社向けロジスティクスシステム共同開発
2003年12月17日/未分類
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