伊藤忠商事（株）と中国の山東魏橋紡織集団（以下：魏橋）は昨年7月、中国より綿製品の対米への輸出強化を目的に、米国において、販売会社Weiqiao（USA）Inc.（以下魏橋USA）を設立しているが、2005年からのクオータ撤廃など世界の繊維製品の自由貿易体制への移行を視野に入れて、2004年1月より、本格的に営業活動を開始する。
伊藤忠は、2002年5月に中国山東省と経済貿易全面合作議定書を結び、積極的な事業展開を進め、中国最大の綿紡績である魏橋とは、2002年9月に、差別化糸（コンパクトヤーン、コアスパンヤーン）の生産合弁会社2社を設立を契機に、機械設備や技術の導入、魏橋全体との全面的な原料供給と販売の提携など取組を進めてきた。
魏橋は中国最大の綿紡績企業であり、2003年末において、最新鋭の綿紡績設備300万錘を保有、1社で日本全体の紡績錘150万錘を陵駕し、自社内に、自家発電設備も保有、紡績、織布一貫のコスト競争力を持っている。
伊藤忠は、伝統に培われた繊維カンパニー繊維原料事業部が、原材料調達力、マーケティング・商品開発力、グローバルな販売力を持ち、すでに、「黄河」「大黄河」という伊藤忠ブランドでの綿糸の販売から差別化糸、テキスタイル・縫製品までグローバルな販売を進めている。
また伊藤忠は、綿糸における革新的な商品であるコンパクトヤーンの世界展開を進めており、世界最有力の綿紡績、魏橋をパートナーとすることで、さらに飛躍を目指す。
魏橋USAは、2005年からのクオータフリーを視野に入れて、世界の最大市場である米国での販売拡大を目指し合弁で設立し、米国市場のマーケティング、GAPなど米国の有力SPAへの販売活動を行い、初年度売上目標は8千万ドル、5年後には3億ドルを目指す。
