電子商取引推進協議会は3月1日、「電子商取引、EDIの問題点を解決する促進策の提言」を発表した。
日本の電子商取引(ElectronicCommerce、EC)は、1990年代後半から登場し、年平均成長率約50%で拡大しており(1998年~2002年)、その市場規模は2002年には、企業間電子商取引(B2B)で46兆円、企業消費者間電子商取引(B2C)で3兆円に達している。
ECOMでは、2003年10月に中小企業の電子商取引の実態調査を実施し、問題点・課題を調査・把握した(中小企業の電子商取引の実態調査結果は、2004年1月14日にプレスリリース実施)。
近年、導入コストが安いため急拡大しているインターネットEDI(インターネット網又はインターネット技術を活用したEDI)は、Web-EDI方式が主流だが、この方式は個別仕様による開発のため、多画面現象と社内システムへの人手による再入力などの問題点が顕在化しており、解決策の提案と促進が切望されている。
また、近年の電子商取引の拡大に伴って、中小企業が参加し易い制度・システムを提供することが必須になっている。
ECOMでは、現状のインターネット技術の活用状況と、eビジネスの標準仕様の策定状況などを調査して、中小企業でも導入可能な、実際的な標準電子商取引システムを検討して、推奨システムとその普及促進策をまとめた。
大手企業は、中小企業との取引でビジネスが成り立っている。中小企業のEDI促進は、大手企業の競争力強化にも貢献する。本提言の推奨システムは大手企業のEDIにも適用可能である。
電子商取引推進協議会は今後、本提言に従って、電子商取引、EDI推進に関する施策の推進及び普及促進活動を進めていく。
促進策の提言の骨子
(1)EDIシステムの基本技術は、XML技術を採用したインターネットEDIとする。
・21世紀初頭のインターネット技術革新の一つのXML(拡張可能マークアップ言語)を採用する。
・安全・安心を確保するためのセキュリティ・高信頼性メッセージ搬送機能を実装する。国際標準で実装が進んでいる、SSL標準、PKI標準、及びebXMLMS標準を適用する。
(2)XMLスタイルシートを活用する。
・現状のインターネットEDIで主流になっているWeb-EDIの問題点である、データ項目とWeb表示フォーマットの非統一の問題をクライアントパソコン側の処理で解決する。
(3)中小企業でも導入可能なパソコンレベルの標準簡易電子商取引システムと安価な運用管理サービスを開発・提供する。
・ユーザー側の電子商取引システムは、パソコンレベルで動作可能なシステムとし、電子商取引の標準メッセージ送受信機能と標準メッセージ処理機能(画面表示機能、帳票印刷機能、社内バックエンドシステムとの連携機能)を持たせる。
・標準メッセージ送受信機能としては、ebXMLMS仕様準拠のHTTP方式電子商取引クライアントシステムとする。
・標準メッセージ処理機能には、XML技術にフル対応し、かつコスト的・技術的に中小企業でも利用可能なMSOfficeSystem2003の利用が可能である。
・複数の商取引先と単一のシステムで、安価に電子商取引を実施するための運用管理サービスとして、共通電子商取引のASPサービスを開発・提供する。
・中小企業が利用できるように費用負担はFAX導入レベルとする。具体的には、一次導入費用:10万円~20万円、月額維持費用:3 500円~5 000円である。開発・提供方法にもよるが、このレベルは中小企業にとって受け入れ易いレベルであり、実現性が高い。
(4)業界間の標準メッセージ変換システムを開発・提供する。
・多くの業界で、業際取引の標準メッセージ変換に悩んでいる。主要の標準メッセージとの変換システムを開発して、複数の業界で活用する。
・主要の標準メッセージは、XMLベースのeビジネス国際標準ebXMLに準拠したUBL(UniversalBusinessLanguage)とECALGA(JEITA)標準メッセージが第一候補である。