SAPAG(以下:SAP)は、SAPソリューションのRFID(RadioFrequencyIdentification)機能を活用し、様々な企業がビジネスにおける利益を拡大していると発表した。
例えばAirbusSAS(以下:エアバス)とFraportAGFrankfurtAirportServicesWorldwide(以下:フラポート)は、RFID対応SAPソリューションを活用することでペーパーレスかつ自動化されたワークフローを確立し、重要な企業資産を追跡かつ保全する業務プロセス全体において、高い効率性を達成している。
小売部門は、SAPの顧客であるPurduePharmaL.P.(以下:パーデュー・ファルマ)がサプライチェーン・プロセスを強化し、Wal-Mart(以下:ウォルマート)を始めとする主要顧客からのRFIDに関する要請に対応するために、SAPが提供するRFIDソリューションのパイロット版を採用している。
急速な発展を遂げているRFIDテクノロジーを、顧客企業が早期に採用し最大限に活用できるよう、SAPはRFID対応機能をmySAPBusinessSuiteソリューションに組み込み、各業界の特殊なニーズを満たすRFIDパッケージを提供していく。
SAPの製品ライフサイクル管理ソリューションmySAPProductLifecycleManagement(マイエスエイピー・プロダクト・ライフサイクル・マネジメント)が提供する設備資産管理ソリューションは、顧客企業がコスト効率良くかつ確実に24時間365日継続して行われる業務を遂行できるよう支援する目的で開発されたもので、企業にとって必要不可欠な物的資産である、機械、発電装置、車両などをライフサイクル全体で効果的に管理する。
SAPはRFID対応モバイル・ソリューションであるSAPMobileAssetManagement(エスエイピー・モバイル・アセット・マネジメント、以下:SAPモバイル・アセット・マネジメント)とSAPAuto-IDInfrastructure(SAPAuto-IDインフラストラクチャ)により基幹システムまで統合したビジネス・プロセスを構築し、現場で機器の保守管理を担当する技術担当者も同ソリューションを利用可能となった。
この統合アプローチは、企業の資産管理を、事後対応型の故障・修繕対策手段から予測予防型戦略へと変換させる上で貢献している。
フラポートは、同社の本拠地である独フランクフルト空港にて、換気システムにおける安全性強化および保守費用削減を図るため、SAPモバイル・アセット・マネジメントを利用している。連邦法により空港の施設メンテナンスを定期的に保証することが義務付けられていることから、フラポートは拡張性を有する統合モバイル・シナリオで信頼性の高い資産管理ソリューションを必要としていた。
さらにフラポートは、フランクフルト空港における将来の需要に対応できるよう空港全体を拡大し続けている。
現在、サービス・エンジニアは換気シャッターに取り付けられたRFIDタグを読み込むPDA(携帯情報端末)を使用し、作業指示に従い正しく通気孔の点検を行ったことを確認できるようになり、同PDAは、ERPソフトウェアに対する入出力端末としても機能し、自動的にデータ更新を行う。
SAPモバイル・アセット・マネジメントの活用により紙による作業をなくすことで、フラポートは施設管理費用を最大70%削減できると予想している。
エアバスは、工具リース・サプライチェーンにおいて、RFID対応エンタープライズ・アセット・マネジメントを使用している。特殊な工具には、識別、輸送、そしてライフサイクルに関する有用な情報を盛り込んだRFIDタグが取り付けられている。
エアバス、工具修繕店、顧客間の供給サイクルで取り扱われる同工具は複雑な修繕に利用されており、補修の必要性が生じた場合は研究施設や修理店に送られ、重要な情報はRFIDタグに書き込まれる。
SAPは、1月に発売されたサプライチェーン・マネジメント向けRFIDソリューション・パッケージが、ハイテク業界、消費財業界、製薬業界における有力企業により導入されていることを発表した。
例えば、コネチカット州の製薬会社であるパーデュー・ファルマは、ウォルマートのRFIDに関する要請に対応するためにSAPのサプライチェーン・マネジメント向けRFIDソリューションを使用している。
顧客企業は、サプライチェーン・マネジメント向けに開発されたSAPのRFIDソリューション・パッケージにより、関連するRFIDデータとビジネス・ソリューションを統合することで、ビジネスにおける価値を引き出すことも可能となっている。
小売業界の要請に対応するためだけの「スラップ・アンド・シップ(RFIDタグを貼り付けて出荷する)」から、SAPAuto-IDインフラストラクチャをERPシステム、レガシー・システム、そしてその他バックエンド・システムへ完全統合させる4段階のアプローチにより、企業はRFID導入の拡大を実現できる。