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国土交通省/倉庫業登録事業者の動向

2004年06月20日/未分類

国土交通省は、倉庫業の登録を受けた者を対象に、その主要業種や参入理由、登録した倉庫の用途についての調査を行った。

近年、規制緩和等によりトラック事業者等から倉庫業へ新規参入する事業者が増加していると言われているが、今般、各地方運輸局の協力を得て、3項目の定量的把握のため許可制であった平成13年度から登録制となった平成14年度、そして直近の15年度の3ヵ年に遡った全国一斉調査を行った。

平成15年度における新規参入事業者は、規制緩和前の13年度99社に比べ、約40%増の136社となっており、14年度中に行われた規制緩和で新規参入者が増加したものと考えられ、その中でも、トラック業は13年度の53社と比べ、50%増の78社という高い伸び率を示しており、逆に荷役業や加工業、商社などは減少している。

15年度の内訳を見ると、トラック業からの参入が78社(57.4%)と、全体の約6割を占めており、次いで販売業は11社(8.1%)、メーカー8社(5.9%)、加工業7社(5.1%)、卸売業4社(2.9%)、荷役業、商社がそれぞれ2社(1.5%)と続き、倉庫業として新規起業とした者は1社のみとなっている。

このように倉庫業は、最近の3PLや合理化といった物流システムの変革のなかで、倉庫業単体ではなく他業種からの参入がほとんどとなっている。

この傾向は最近3ヵ年でもほぼ変わりはなく、平成13~15年度の倉庫業参入者356社の主要業種内訳を見ると、トラック業が192社(53.9%)と、やはり過半数を占めており、次いで加工業31社(8.7%)、メーカー23社(6.5%)、販売業22社(6.2%)、商社12社(3.4%)、荷役業11社(3.1%)卸売業9社(2.5%)と続き、倉庫業として新規起業とした者はやはり6社(1.7%)にとどまっている。

その他は50社(14.0%)となっており、不動産業、養殖業、産業廃棄物処理業、建設業、ビルメンテナンス業、スポーツクラブ、コンサルタント業、警備業といった業種となっている。

倉庫業への主な参入理由について、、「荷主・顧客からの要請」を受けて参入した事業者が13年度で64社であったのに対して、15年度には54.7%増の99社という高い伸び率を示しており、逆に自社の展開として「事業規模の拡大」のため参入した事業者や「親会社からの意向」によって参入した事業者は減少している。

なお、わずかですが、使っていないスペースを有効利用するとか遊休地を活用するといった「余剰資産の活用」のため参入した事業者が14年度1社、15年度3社ある。

15年度の内訳を見ると、「荷主・顧客からの要請」が99社(72.8%)と、全体の7割強を占めており、次いで「事業規模の拡大」14社(10.3%)、「親会社からの意向」5社(3.7%)、「余剰資産の活用」3社(2.2%)、「不明」15社(11.0%)となっている。

これは、運送と保管を一括で行うといった近年の物流サービスの多様化を背景に、従前は、自家貨物として在庫保管し運送だけ委託していた荷主事業者が新たに保管も含めて物流事業者に委託するといったケースにおいて、コンプライアンスの観点から倉庫業の登録を受けてもらいたいという荷主・顧客からの要請と、しっかりした基準を満たしている営業倉庫を所有しているということで社会的信用度を深め、荷主・顧客との信頼関係をより強化したいトラック事業者の意向とが一致したところに、規制緩和で倉庫業参入が容易になったことがあいまって登録に至った事例が多いという実態を裏付けている。

最近3ヵ年の参入理由の内訳を見ると、「荷主・顧客からの要請」が226社(63.5%)となっていることから、やはり規制緩和効果と荷主企業のコンプライアンスに対する意識の変化が15年度に顕著となっている。

登録された倉庫の建築当初の用途について、平成15年度における営業倉庫の登録件数は、図のとおり、13年度の449件に比べ、約15%増の517件と登録業者の増加に伴って登録される倉庫も増加している。

このうち新規登録を見てみると、登録業者の増加率の40%に比べ、その伸び率は35%と若干低調となっているが、許可制であった13年度までは採算性も審査項目であったため、一定規模未満では許可されなかったものが、規制緩和後は他業種の付帯サービスのような小規模営業倉庫でも可能となったことで、1事業者1棟の登録という比較的規模の小さい事業者も参入できるようになってきたことが影響していると考えられる。

なお、当初から営業倉庫として建築されたものは、13年度の257件から67件27%増の324件と増加しているが、逆に自家用倉庫からの転用が152件から24件16%減の128件と減少傾向にある。

15年度の内訳を見ると、営業倉庫が324件(62.7%)と、全体の6割強を占めているが、自家用倉庫が128件(24.8%)、工場32件(6.2%)、配送センター20件(3.9%)、その他13件(2.5%)であり、用途変更を伴う建物を使用する例があわせて193件(37.3%)となっている。

このように営業倉庫には、もともと営業倉庫としての用途で建築された倉庫のほかに、荷主からの依頼で倉庫業の登録を求められた事業者が用途変更を行った転用建物も多いという実態がある。

この傾向は最近3ヵ年でもほぼ変わりはなく、平成13~15年度登録1,383件の内訳を見ると、営業倉庫824件(59.6%)と、ほぼ6割を占めており、自家用倉庫396件(28.6%)、配送センター83件(6.0%)、工場63件(4.6%)と続き、その他(農業倉庫、車庫、上屋、事務所など)は17件(1.2%)となっている。

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