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家電製品協会/家電業界の無線タグ実証実験で高評価

2004年08月01日/未分類

(財)家電製品協会と(株)富士総合研究所は、経済産業省の委託による「家電業界における無線タグの利活用モデルの実証実験」を行い、その結果を報告書にまとめた。

今回の実証実験では、UHF帯(950MHz帯)無線タグを用いて、量販店1社2箇所における店舗実証実験、家電製品メーカー10社10箇所で対象製品10種類への実装実証実験、物流事業者3社3箇所での物流実証実験を、それぞれ実施した。

その結果、UHF帯(950MHz)無線タグの特徴である、長い距離広い角度で読み取りが可能であることを活かし、店舗では防犯、レジ業務、棚卸等において、倉庫などの物流現場では入出荷検品や在庫管理において、UHF帯(950MHz)無線タグの高い有効性が実証された。

今後、UHF帯(950MHz帯)無線タグのさらなる改良と設置・運用ノウハウを蓄積すれば、近々実用化が可能であることがわかった。

一方、家電製品への実装では、使用されている金属物等の影響でタグの読取・書き込み可能範囲に製品ごとの違いが見られ、今後の実装の方向性を見出すために貴重なデータが得られた。

実証実験の実験概要

(1)実験内容
(i)家電店舗利用実証実験
レジ業務関連(業務効率化)、防犯管理、消費者向けサービスの向上、バックヤード業務関連(棚卸等の業務管理の効率化)

(ii)家電製品への無線タグ実装実証実験
外装貼付、内部貼付、筐体加工(スリットタグ)の各形態におけるUHF帯(950MHz帯)無線タグの読取り書込み精度の検証、無線タグ実装コスト検討

(iii)物流実証実験
物流現場でのUHF帯(950MHz帯)無線タグ実用性検証
(フォークリフト、金属カゴ、オリコン、コンベアを用いた物流実験および棚卸実験)

(2)実験協力企業
家電量販店:デオデオ、ベスト電器

家電メーカー:日立製作所、三菱電機、シャープ、ダイキン工業、パイオニア、松下電器産業、松下電工、東芝家電製造、三洋電機、ソニー

物流会社:松下ロジスティクス、三洋電機ロジスティクス、ソニーサプライチェーンソリューション

システムベンダ:東芝テック、日本ユニシス

タグベンダ日本アールエフソリューション(UHF帯(950MHz帯))
日本インフォメーションシステム(UHF帯(950MHz帯)、2.45GHz帯)
東レインターナショナル(UHF帯(950MHz帯))

(3)対象家電製品
液晶プロジェクタ、冷蔵庫、液晶テレビ、ルームエアコン、DVDプレーヤ、プラズマテレビ、インバータ照明、洗濯機、デジタルカメラ、ノートパソコン

実証実験の結果概要

(1)家電店舗利用実証実験
レジ業務、防犯、及び顧客サービスとしての商品情報の提供場面や店舗バックヤードでの棚卸作業において、UHF帯(950MHz帯)タグは読み取りエリアが大きいため、2.45GHz帯タグに比べ適していることがわかった。

特にレジ業務や防犯面は、UHF(950MHz帯)タグは2.45GHz帯タグと比べ、電波の回り込みの特性等から金属物の陰にある場合でも読み取りが可能になる場合が多く、バーコードと比べても販売履歴の書き込みが可能な点において優位で、導入による有効性が高いことを確認した。

また、タッチログ(売場管理)や一部の棚卸作業でも、出力、アンテナ指向性等を調整し、適正な読み取りエリアにて使用することで、UHF帯(950MHz帯)タグの導入効果は大きいことを確認した。

(2)家電製品への無線タグ実装実証実験
製品単体の実験においては、外装貼付、内部貼付、筐体加工(スリットタグ)のいずれの形態においても、多くの家電製品でUHF帯(950MHz帯)タグは2.45GHz帯タグの読み書きエリアを上回る実験結果が得られた。

この他、付属品との同時梱包実験や複数製品の集合梱包実験も実施し、読み書き特性に対する梱包状態の影響を調査した。

一部の製品においては、製品の構造特性(筐体に含まれる金属材質、タグの貼付可能位置等)によって、読み書き可能エリアが十分確保されない場合があった。

今後は、UHF帯(950MHz帯)無線タグの導入とトレードオフの関係にある機能要件とのバランスを考えて製品設計ができるよう、実証実験を積み重ねてデータの蓄積をはかる必要がある。今回の実験で得られたデータは、より良い実装の方向性を見出すための貴重なデータとなった。

(3)物流実証実験

カゴやコンベアなど金属物の利用が多い物流場面では、電波回り込みの性能を持つUHF帯(950MHz帯)タグの方が適していると言える。また、商品の一括読み取りが求められる物流現場では、より早いスピードで読み取りが可能であるUHF帯(950MHz帯)タグが仕様面で優れており、良い実験結果が得られた。

また、店舗と同様に、一部の棚卸作業など広い読み取りエリアを求められない場面では、出力、アンテナ指向性等を調整し、適正な読み取りエリアにて使用することで、UHF帯(950MHz帯)タグの導入効果が大きいことを確認した。

詳細は下記アドレスを参照。
家電業界における無線タグの利活用モデルの実証実験 事業概要報告資料
http://www.fuji-ric.co.jp/joho/ictag/200400712h15.pdf

商品情報無線タグ読み取り実証実験 事業概要報告資料
http://www.fuji-ric.co.jp/joho/ictag/ictag.pdf

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