三菱重工業(株)は、米国ボーイング社と、747-400型旅客機を貨物機へ転用するスペシャル・フレイター・プログラムに参画する契約を締結した。
同社は、機体側面部貨物搭載用ドア(カーゴドア)およびサラウンド(カーゴドアの扉口のパネル)の製造を担当する。
改造の第1弾となるのは、キャセイパシフィック航空、日本貨物航空、大韓航空が保有する計15機の747-400型旅客機。この航空3社からボーイング社が貨物機への改造を受注したもので、このプログラムには同社のほか、西安飛機工業集団、およびTAECOの3社がパートナーとして参画する。
このカーゴドア、サラウンドとも名古屋航空宇宙システム製作所で製造する。製造されたこれらの部位は、改造サイトであるTAECOに2006年前半に納入する予定で、同社は、TAECOに対し、部品調達管理で協力。それらを通じ、貨物機改造事業で同社との協業を拡大していく。
747-400型スペシャル・フレイターは、航続性能4,100海里(7,600キロメートル)での最大積載量は、輸送能力が25万ポンドで、最大離陸重量は87万ポンドとなる。
航空貨物の需要は今後、年率6%の拡大が見込まれ、今回の改造は、2000年に同社とボーイング社が航空宇宙をはじめとする幅広い分野で協力関係拡大のための覚書を締結し、両社の新たな協業関係の可能性を検討してきた成果の一つで、同年に契約した757-200型機スペシャル・フレイター用貨物扉に続くもの。これら協業の広がりは両社の関係を一層堅固なものにしている。