三井化学(株)は、2005年5月をもってアクリロニトリル(AN)の製造・販売から撤退する。
同社と同社国内関係会社が必要とするANは、旭化成ケミカルズ(株)に生産を委託する。
同社は、現在進めている中期経営計画において事業構造の変革と収益力強化を掲げており、石化・基礎化学品分野は、国際競争力あるコア事業への選択と集中による収益力の一層の強化を進めている。
こうした中、ANは、アジアでは、中国を中心に堅調な需要伸長が見込まれるものの、中国における生産設備の新増設も続いており、需給は緩和の方向にある。
一方、国内では、アクリル繊維等の需要減少が顕著で、現在の余剰状態が更に一層拡大していくものと思われる。
このような事業環境において、同社はANの製造・販売から撤退し、同社が得意とするアクリルアマイド等のAN誘導品分野については、AN事業において世界第2位の生産能力を有し競争力の高い旭化成ケミカルズからのAN調達により、引き続き強化・拡大を図っていく。
停止するAN設備の概要
製造設備:大阪工場内
生産能力:59,000トン/年
停止時期:2005年5月