大日本インキ化学工業(株)と日立化成工業(株)は、両社の不飽和ポリエステル樹脂事業を統合し、折半出資による新会社、ディー・エイチ・マテリアル(株)を設立する。
不飽和ポリエステル樹脂の国内市場は1991年の年間27万tをピークに減少を続け、2003年には同16万t(対ピーク時59%)となり、この間11万tの需要が減少している。
このシュリンクした国内市場に対し、メーカー数は1991年当時の7社から5社に減ったものの、業界全体の生産能力は1991年の37万tから2003年の30万tとわずか7万tの減少にとどまっている。
加えて、輸入品が国内でのシェアを年々拡大しており、需給バランスの改善につながっていない現状にある。
このような中、両社においても同事業の収益は悪化しており、事業存続に一段の合理化努力が求められ、昭和高分子(株)を含めた3社による生産受委託で合理化を進めて来たが、生産受委託ではその効果に限界があると判断し、新たに両社による事業統合を決断したもの。
今回の事業統合による新会社は、生産拠点を大日本インキ化学の堺工場内(大阪府高石市)、日立化成の山崎事業所(山崎)内(茨城県日立市)の東西2ヶ所とし、集中生産による効率化を図る。
なお、大日本インキ化学の千葉工場(千葉県市原市)、日立化成の山崎事業所(鹿島)(茨城県鹿島郡)における不飽和ポリエステル樹脂の生産は中止する。
研究開発は、両社の機能を一体化することにより技術のシナジー効果を追求し、新製品開発を加速させ、顧客への技術サービス充実のため、両工場内にもそれぞれ研究員を配置する。
これらの諸施策により、新会社は、コスト競争力および技術開発力を強化するとともに、顧客へのサービスの充実を図り、初年度から黒字化を実現する。
新会社の概要
会社名:ディー・エイチ・マテリアル株式会社(略称:DHM)
事業内容:不飽和ポリエステル樹脂の製造、販売
資本金:4.5億円
出資比率:両社折半出資
本社所在地:東京都千代田区
営業開始予定:2005年4月1日
営業拠点:東京、大阪、名古屋、福岡
生産拠点:堺工場、山崎工場
売上高計画:約130億円(初年度)
社員数:約110名