名糖運輸(株)の平成17年3月期中間決算短信(連結)の経営成績は下記のとおり。
物流業界は、トラックによる国内貨物輸送量は増加に転じているが、厳しい価格競争に加え、原油価格の高騰などが、経営を圧迫している。
同グループが主たる市場としている食品物流業界は、物量は安定しているが、期待された猛暑の影響は一時的な飲料類の物量増加に留まり、収益改善までには至らず、依然として価格競争、物流合理化、燃料費増などによる厳しい環境が続いている。
このような状況のもと、同グループは「基本徹底・品質優先」をスローガンに、品質を最重視した物流の提供を基本とし、第六次中期経営計画最終年度の目標達成に向け、不採算事業の見直しや、共同配送事業の拡大による利益率の改善、新規事業の取り組みによる収益の伸長、M&Aによる事業規模拡大を進めた。
以上の結果、当中間連結会計期間の営業収益は239億22百万円(前年同期比8.2%増)となり、経常利益は11億5百万円(同44.6%増)、中間純利益は5億75百万円(同65.1%増)となった。
セグメント別の業績
貨物運送事業
同社のほか、(株)アイソネットライン、(株)トランスメイト、ジャパンフーズ物流(株)、(株)ジャステム、(株)エムズライン、(株)エス・トラスト、星運輸(株)、(株)キョーハイ、(株)ケーツーの各社が行っており、厳しい経営環境の中でグループ全体で業容の拡大と運行の効率化に努め、当中間連結会計期間の営業収益は194億22百万円(前年同期比6.8%増)、営業利益(配賦不能営業費用控除前)は11億29百万円(前年同期比0.4%増)。
物流センター管理事業
当社のほか、(株)アイソネットライン、(株)トランスメイト、ジャパンフーズ物流(株)、(株)ジャステム、(株)エムズライン、(株)エス・トラスト、(株)キョーハイ、(株)ケーツーの各社が行っている。
当中間連結会計期間の営業収益は42億93百万円(前年同期比13.2%増)、営業利益(配賦不能営業費用控除前)は4億25百万円。なお、この厳しい環境に対応するために、尚一層のローコスト・オペレーションを推進する。
その他事業
その他事業は、(株)名商が、同社及び子会社の車両保険に関する業務と中古自動車販売業並びに同社の物流センターに関するメンテナンス等を行っている。当中間連結会計期間の営業収益は2億6百万円(前年同期比45.4%増)、営業利益(配賦不能営業費用控除前)は14百万円(前年同期比31.7%減)となった。
通期の見通し
今後のわが国経済は、不安定な国際情勢などによる先行き不透明感はあるものの、株式市場が堅調に推移し、個人消費にも増加の兆しが見えるなど回復感が強まっていくものと予想される。
物流業界も、トラックによる貨物輸送量の減少に歯止めがかかるなど復調の兆しは見えるものの、厳しい価格競争、さらなる合理化、環境・安全への投資負担の増大など今後も厳しい経営環境が続くものと思われる。
同グループは、平成16年度のスローガンとして「基本徹底・品質優先」を掲げ、業界における『品質ND.1企業』を目指す。新規顧客開拓のための営業力の強化や、新しいビジネスモデルを構築し、営業収益を増加させるとともに、不採算業務にっいては継続を断念する方針を今年度も続けている。
通期の業績は、営業収益455億円、経常利益14億円、当期純利益6億50百万円を見込んでいる。