（株）日新の平成17年3月期中間決算短信（連結）の経営成績は下記のとおり。
物流業界の動向は、国際貨物輸送が、輸出の増加により堅調に推移した。とりわけ航空貨物は輸出入とも堅調に推移した。国内貨物輸送は、回復のきざしが見られるものの、物流合理化の影響を受け、依然、厳しい状況が続いた。
こうした環境下、同社は、インドネシア・ジャカルタ市に現地法人を設立し、また、中国では、上海物流園区への進出や、江蘇省南通市に現地法人である江蘇日新の事務所を設置した。
インドでは、業務範囲を拡大するなどアジア・中国における拠点を整備し、世界22カ国に展開する同社ネットワークの充実と連携強化を図ってた。
国内は、顧客の多様なニーズに合わせ、関西地区で施設の増築・改修を行い、取引関係の深耕化を図った。
福岡に設立したエヌ・エフロジスティクス（株）も新たな地域への進出を図るなど、営業基盤の強化に努めた。
また、経営効率化と業務高度化を目的として、ことし4月より本格稼動した｢iプラン21｣プロジェクトにおいて、関連する業務システムの改善も併せて実行するなど、業務の効率化を進めている。
この結果、当中間期の連結売上高は前年同期比12.7％増の99,644百万円。連結営業利益は15.2％増の2,166百万円、連結経常利益は10.8％増の2,111百万円、連結中間純利益は27.7％増の1,148百万円。
セグメント別の概況
国際物流事業では、海上貨物業務が、自動車および自動車部品の取扱いが前期に引き続き堅調に推移し、中でも北米向けを中心とした輸出取扱いが大幅増となった。
また、デジタル関連商品や家電の輸出入取扱いも好調でした。航空貨物業務は、輸出入とも好調で、とりわけ東南アジアや中国向けの輸出取扱いが増加した。
新しいサービス面では、拡大を続ける日中間の物流ニーズに対応するため、上海発東京経由による北米向け海上混載サービスや、日系フォワーダーで初めて京浜港発上海向けの海上特急混載（HDS：ﾎｯﾄﾃﾞﾘﾊﾞﾘｰｻｰﾋﾞｽ）を開始するなど、サービス内容の充実を図った。
海外子会社は、米国現地法人の業績は売上げがわずかながら減少し、欧州および東南アジアの各現地法人はほぼ横ばい。中国経済の景気拡大を背景に、中国の現地法人はおおむね順調な業績だった。
当事業の連結売上高は、前年同期比5.9％増の54,973百万円となった。
国内物流事業は、3月より進めておりました神戸・摩耶東物流センターの増築工事が完成し、取扱貨物が増加した。また、大阪に泉佐野流通センターを開設して大手小売業向け輸入雑貨の取扱業務を開始した｡横浜港港湾地区においても、大手製粉会社から製品の保管・配送業務を受注した。このように、これまでの取引基盤のより一層の拡充に努めた。
一方、自動車運送事業では、今夏の猛暑の影響により取扱高、輸送量とも好調だったが、収受運賃の低下、燃料費の高騰により、厳しい状況が続いた。
当事業の連結売上高は、前年同期比3.0％増の18,868百万円となった。
旅行業及びその他の事業（省略）
通期の見通し
米国経済は、原油価格の高騰など不安要因はあるが、好調な企業業績により景気は拡大傾向にあると思われ、中国経済も一時的に減速する懸念はあるものの、堅調に推移するものと思われる。日本経済も企業収益が拡大傾向にあるなど、景気はゆるやかに拡大を続けるものと予想される。
物流の動向は、国際貨物輸送が、高い経済成長が続く中国との取扱貨物量の増加が引き続き見込まれ、東南アジア、米国との取扱貨物量も増加するものと思われる。
国内貨物輸送は、原油価格の高騰による燃料費の増加など懸念材料はあるが、景気の回復感などから取扱貨物量は微増が予想される。
このような経営環境下、同社は、将来の経済成長が大いに期待されているBRICsのうち、中国、インド、ロシアに積極的に進出している。
特に経済発展が著しい中国を当社の最大の焦点とし、拠点の充実と各拠点間の連携強化を図り、グローバル・ネットワークとITを活用した国際物流の提案型営業を推進する。
そして、お客さま満足度の向上と新たなビジネス機会の積極的な開拓を行い、収益の拡大を図り、引き続き原価の削減とコスト競争力の改善に努め、利益の拡大を目指す。
通期の業績見通し
売上高188,000百万円（前期比5.6％増）
営業利益4,600百万円（前期比25.6％増）
経常利益4,200百万円（前期比21.8％増）
当期純利益2,000百万円（前期比38.4％増）
