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日立製作所/溶液中の計測データをワイヤレス送信するRFIDセンサの半導体チップ開発

2004年12月08日/未分類

日立製作所は、温度、イオン濃度やひずみなど様々な量を高感度で計測し、溶液中から計測データをワイヤレスで送信できる、センサと無線機能を集積化したRFIDセンサを開発した。

開発したRFIDセンサは、通信距離10~75ミリメートルの外付けのアンテナに電波を照射して、非接触でICチップを駆動し、モノや環境の状態を計測することができるカード型で、電力ケーブルや信号ケーブルが不要であり、小型・低コストの計測システムを実現する。

このシステムは医療・バイオ分野をはじめ、プラントや社会インフラ、物流等の様々な分野で、機器の状態を監視したり、機器の安全性を管理するための計測の手段として有効。なお、本開発はNEDO助成事業「バイオ・IT融合機器開発プロジェクト」の一環として行なわれたもの。

来たるユビキタス社会において、ICチップに書き込まれた識別(ID)番号をリーダで読み取るRFIDは、モノを管理するための基本要素技術として注目されている。

このRFIDに環境やモノの状態を計測するセンサ機能を追加したRFIDセンサは、医療・バイオ分野をはじめ、プラントや社会インフラ、物流といった様々な分野で、機器の状態を監視するための計測手段における要素技術として、幅広い分野に適用されることが予想される。

これを実現するためには、既存のRFID機能と通信機能に加えて、センサ機能と測定データ処理回路をLSI集積技術によって、新たなRFIDとして1チップ化する必要があるが、、ひとつのICチップ上でRFID機能とセンサ機能を融合するには、センサの種類や感度に応じて信号強度が大きく変動する測定対象を、ICチップ内部で処理可能な電気信号レベルに変換するために、高度なアナログ・デジタル混載回路を開発することと、それを集積化することが必要。

このような背景から、今回、日立ではセンサ、RFID、LSI回路、通信の各技術を統合した無線通信機能を備えたRFIDセンサを開発。

技術の特長
(1)変動する使用状況に適応する高感度センシング技術
センサの測定感度に悪影響を与える電源電圧変動の影響を受けにくい、信号処理回路を開発するとともに、センサの種類が異なる場合も感度や消費電力をリーダからコマンド入力によって制御できる技術を開発。これにより、通信距離や信号強度に応じた高感度の測定が可能になった。

(2)多様なセンサに対応
半導体の製造プロセスで形成できる高感度温度センサ、イオンセンサを新たに開発するとともに、すでに日立が開発した半導体ひずみセンサ技術を加え、温度、イオン、ひずみという多様な環境やモノの状態を測定できるセンサ付きのICチップを開発した。

試作チップの性能は、温度センサチップでは、-30℃から120℃までの範囲で精度0.5℃の計測を実現。また、イオンセンサチップでは、pH値4-9範囲の水素イオン濃度計測を実現した。

同時に、カード型コイルと組み合わせて、通信距離75mm、40mm、10mmの3種類のカード型センサ(サイズはそれぞれ52×85.6mm、42.8×54mm、27×42.8mm)を試作。今後、日立は低消費電力化により通信距離の拡大を進め、様々なアプリケーションに対応できるRFIDセンサの実現に取り組む。

問い合わせ先
(株)日立製作所
中央研究所
企画室
担当:内田、木下
〒185-8601東京都国分寺市東恋ヶ窪一丁目280番地
電話042-327-7777

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