YRPユビキタス・ネットワーキング研究所、ユビキタスIDセンター、東京大学医学部附属病院、東京大学大学院情報学環、(株)NTTデータは、医薬品流通におけるRFIDタグ実証実験を実施する。
実験では、注射剤の実験用サンプルが工場から出荷され、病院へ入荷されるまでの過程を追跡(トレース)する際のRFIDタグの実用性を検証する。
近年、安全で安心な医療の推進という観点から、医薬品流通管理の強化が叫ばれており、その流通履歴の追跡(トレーサビリティ)の重要性が注目されている。
薬事法の改正に伴い、生物由来製品市販後安全対策の強化として製薬メーカ・卸・医療現場で、製剤名・規格・ロット番号などの販売記録、使用記録の保管管理(保存期間等)が義務化された。
流通履歴を確実かつ効率的に収集する技術として、RFIDタグが着目されており、食料品分野においては、様々な実証実験が実施されるなど、早くから実用化に向けての取組が進められている。
医薬品においても同様に、RFIDタグを利活用した流通履歴の記録を行なう事で、より安全・安心な医薬品供給へと繋がると同時に、医薬品物流効率化や医療過誤防止への貢献も期待されている。
こうした背景を受け、総務省施策の「電子タグの高度利活用技術に関する研究開発」の成果の活用も視野に入れ、「医薬品流通の電子タグ高度利活用WG(主査:東京大学医学部附属病院薬剤部副薬剤部長中島克佳)」を設立し、医薬品流通におけるRFIDタグの有効性について検証するため、ユビキタスID技術を活用した医薬品流通実証実験を行うことになった。
実験の概要
実験時期:平成16年12月~平成17年3月(フィールド実験は、3月末頃を予定)
実験対象:注射剤(実験用サンプル)計400本
実験範囲:実験イメージにおける工場~病院までのトレーサビリティ(今回の実証実験全体イメージを参照願います)
実験場所:製薬メーカ工場・物流センター(三菱ウェルファーマ株式会社、株式会社ベネシス)、医薬品卸(調整中)、病院薬剤部
検証項目
RFIDタグを用いた医薬品トレーサビリティの有効性
医薬品流通各業務(入出荷業務・管理業務)効率化におけるRFIDタグの有効性
利用者側(各フィールドにおけるプレイヤ)の利便性、問題点の抽出、課題の確認
実験内容
製薬メーカにて、製造された実験用サンプルの注射剤にucodeタグを貼付し、各流通拠点における流通履歴(入出荷情報)をチェックする。
各拠点にucodeタグ読み取り装置を設置し、注射剤のucodeタグを読み取らせることで、流通履歴や医薬品情報(品名・ロット番号・成分・使用期限等)を確認する。
医薬品流通過程において、ucodeタグの複数同時検品を実施する。
参加メンバ:YRPユビキタス・ネットワーキング研究所、ユビキタスIDセンター、東京大学医学部附属病院、東京大学大学院情報学環21世紀COE「次世代ユビキタス情報社会基盤の形成」、NTTデータ、三菱ウェルファーマ、ベネシス
問い合わせ先
YRPユビキタス・ネットワーキング研究所
ユビキタスIDセンター
越塚
TEL03-5437-2270
東京大学医学部附属病院
薬剤部副薬剤部長
中島
TEL03-5800-9185(直通)
株式会社NTTデータ
広報室龍
TEL03-5546-8051