三菱化学(株)と東海カーボン(株)は、平成16年7月12日に両社のカーボンブラック事業の提携検討について合意した旨公表し、その後、公正取引委員会の詳細審査を受けていたが、同委員会より、需給が逼迫した現在の市場環境では、提携は国内市場での競争を実質的に制限する恐れがあるとの指摘を受けた。
これを受けて、両社は可能な限りの問題解消措置を検討してきたが、現状では有効な措置を採ることができないとの判断に達し、両社間合意を解消し、公正取引委員会への審査請求を取り下げることとした。
三菱化学とは、東海カーボンとの提携によって、国内におけるカーボンブラック事業の生産・販売・技術等のシナジー効果が得られ、コスト競争力を強化していく所存であったが、今回の結果を踏まえ、改めて今後の以下の諸施策を検討・実施していく。
施策は、カーボンブラック事業を含めたコークス/タールというコスト競争力のある炭素材を基盤としたプロダクトチェーン全体の強化策を検討・実施する。
同時に、カーボンブラック事業について原料・生産・技術・物流サービス等全般にわたり、これまで以上の徹底的な合理化策を検討・推進し、競争力の強化を図る。
海外においては、需要拡大が期待されるアジア、とりわけ中国市場をカーボンブラック事業における重要なマーケットと位置付けており、需要動向等を十分見極めた上で、今後供給体制を強化する。
国内外ともに、今まで培ってきた技術を活かすことで、多様化・高度化するユーザーのニーズに合わせた高付加価値な製品や生産技術の開発に引き続き積極的に取り組む。