JSRと三菱化学は11月25日、ABS樹脂などのスチレン系樹脂事業の合弁会社であるテクノポリマーについて、合弁事業を解消を合意した。
今後、JSRは、2009年3月31日付で三菱化学が保有する全株式を取得し、テクノポリマーを全額出資子会社とする。
合弁事業解消の理由は、テクノポリマーが、1996年7月にJSR60%、三菱化学40%出資の合弁会社として設立以降、生産・販売・開発の各面で両社が持つ強みを結集し、ABS樹脂を中心にグローバルに事業を展開してきた。
こうした中、テクノポリマーは、これまで以上に迅速な意思決定と経営資源の有効活用や最適化を図り、企業価値を高めるために、JSRのポートフォリオの中で事業を遂行していくことが最適であると判断したもの。
また、三菱ケミカルホールディングスグループの中核事業会社である三菱化学は、化学品分野における「高機能化へのシフトと事業基盤強化」の方針に沿って、戦略事業分野への集中的な投資を加速し、事業の集中と選択を推進するため、ABS事業から撤退することを決めた。
このように、両社は、テクノポリマーのそれぞれの事業戦略上の位置づけが設立当初から変化したことから、協議の上、円満に合弁を解消することで合意したもの。
合弁解消の方法は、JSRが、三菱化学が保有するテクノポリマーの発行済み株式の40%にあたる持ち株(24,000株)を買い取り、100%子会社とする。