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経済産業省/石油化学製品の物流費と物流を巡る商慣行に関する調査結果

2005年01月30日/未分類

経済産業省は、主要石油化学製品(樹脂、化成品、合成ゴム)の物流費と四大樹脂(低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン)の物流に係る商慣行について、石油化学工業協会加盟会社を対象とした調査結果の概要を公表した。

平成15年度の主要石油化学製品(樹脂、化成品、合成ゴム)の物流費及び平成16年3月の四大樹脂(低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン)の物流に係る商慣行について、石油化学工業協会加盟29社(含む子会社。ただし、四大樹脂の物流に係る商慣行については155社。)を対象に調査を行った。

1.主要石油化学製品の物流費については、売上高が増加する中で、売上高に占める物流費比率は、樹脂・化成品・合成ゴムともに前回調査よりも微減となり、各社のコスト削減努力が見られる。
2.四大樹脂の物流に係る商慣行は、全納入件数、全納入数量とも増加している中で、「小口納入」については改善の傾向を示しているが、「納入頻度、受注時期、制約条件」については悪化していない。

主要石油化学製品の詳細
樹脂:低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン(4品目)
化成品:ベンゼン、トルエン、キシレン、パラキシレン、スチレんモノマー、フェノール、アセトン、
ブタノール、エチレングリコール、アクリロニトリル、酢酸、アセトアルデヒド(12品目)
合成ゴム:ソリッド、ラテックス(2品目)

主要石油化学製品の物流費(平成15年度)
(1)全体
平成15年度の主要石油化学製品の物流費の総額は、1,454億円(対前年度比2.1%増)であった。内訳としては、販売物流費1,005億円、工場物流費447億円、調達物流費2億円となっている。
物流費を伴う販売量減(489千トン)の大部分が輸出量減であることから、数量差は微減の▲1億円、物流合理化による費用削減で▲15億円、物流料金改定により▲9億円であったが、工場物流費他55億円増により、総額で30億円(+2.1%)の増加となった。
また、売上高に対する物流費比率は、樹脂・化成品・合成ゴムともに微減となった。
調査対象製品の平成15年度売上高(17,652億円)に占める物流費の割合は8.2%と前年度と比較すると0.2ポイント下がったが、我が国製造業の売上高物流コスト比率の平均は5.33%(注)と改善されており、依然として大きな格差がある。

(2)樹脂
物流費総額は1,038億円で、販売物流費713億円、工場物流費324億円となった。前年度と比較すると、4樹脂の物流費を伴う販売量は合計で41千トンの増加となった。物流費については販売増により4億円増、費目見直し・包装費増等による工場物流費33億円増があったが、輸送改善・自家倉庫の活用等による物流合理化により▲10億円、物流料金改定により▲6億円のコスト低減が図られたことにより、総額で29億円の増加(対前年度比+2.8%)となった。

販売数量は689万トン(対前年度比0.6%)と増加し、単位(トン)当たりの物流費は増加(対前年度比2.2%)している。

なお、売上高に占める物流費比率は前年度と比較して0.3ポイント減少して12.7%となった。

(3)化成品
物流費総額は187億円で、販売物流費148億円、工場物流費37億円、調達物流費2億円となった。前年度と比較すると、物流費を伴う販売量は合計で504千トンの減少となった。

物流費については販売量の減少で▲2億円、輸送手段の変更等の物流合理化により▲3億円、物流料金改定により▲1億円のコスト削減が図られたことにより、総額で6億円の減少(対前年度比▲3.0%)となった。

販売数量は397万トン(対前年度比▲11.3%)と減少し、単位(トン)当たりの物流費は増加(+9.3%)している。なお、売上高に占める物流費比率は前年度と比較して0.1ポイント減少して2.7%となった。

(4)合成ゴム
物流費総額は229億円で、販売物流費143億円、工場物流費85億円となった。前年度と比較すると、物流費を伴う販売量は合計で26千トンの減少となった。物流費については、販売数量減で▲3億円、輸送手段の変更・保管効率化等物流合理化で▲3億円、物流料金改定により▲2億円であったが、包材購入増による工場物流費で9億円の増加により総額で7億円の増加(対前年度比3.0%)となった。

また、販売数量は137万トン(対前年度比▲1.9%)と減少し、単位(トン)当たりの物流費は増加(+4.9%)している。

なお、売上高に占める物流費比率は前年度と比較して0.1ポイント減少して9.1%となった。

四大樹脂の物流に係る商慣行(平成16年3月)
(1)小口・多頻度納入
一件当たりの納入数量が1トンに満たない小口納入件数は、35.3千件(前年比▲0.6%)となった。樹脂別では、ポリプロピレンが数量で前年より増加しているが、その他の樹脂は件数及び数量とも前年より減少し、改善が見られた(ポリスチレンの改善が顕著)。その結果、全納入件数に占める割合は24.2%と対前年比1.1ポイントの減少となった。

同一ユーザーに対し月4回以上配送する多頻度納入は、対総出荷件数比で75.7%(前回調査73.8%)を占めた。

(2)標準外オーダー
「出荷日前日の12時まで」に受け付けた標準的なオーダーは、件数比で79.7%(前回調査83.0%)、数量比では81.3%(前回調査86.0%)となった。

件数、数量共に99年までは毎年改善していたが、本年は大幅減となった。これは、「出荷日前日の15時まで」が、件数、数量共に増加し、オーダー締め切り時間がずれ込んできている事に起因している。

また、配車組み替えや緊急配車が必要となり物流コストの増加要因につながる「出荷日前日の15時以降及び当日」のオーダーが、件数べースで8.0%(前回調査7.0%)と前年より1.0ポイント増加した。

「当日」出荷は、件数比で低密度ポリエチレンが7.0%、高密度ポリエチレン5.0%、ポリプロピレン3.6%、ポリスチレン1.9%と低密度ポリエチレンが依然として高くなっている。

(3)納入時の制約条件
全納入件数に対して、何らかの制約条件を伴う納入は、全樹脂平均で53.4%(前回調査49.6%)と、さらに悪化している。

制約条件を個別に見ると、「時間指定」が全体の約半数(50.7%)を占め、ここ数年増加傾向を示している。以下、車種指定、荷役作業等提供、看板納入の順となっているが、本年は特に車種指定の増加が顕著である。樹脂毎には、ポリスチレンが減少した以外は他の樹脂は増加している。

(4)特殊取引に係る増加コスト試算
以上のような「特殊取引」に伴う増加コストを試算したところ、四大樹脂全体で、年間約84億円(前回調査約83億円)に上り、国内樹脂販売物流費(販売直接費)総額598億円の14.0%(前回調査13.8%)相当となっている。

4.今後に向けて
主要石油化学製品の物流費については、売上高が増加する中で、売上高に占める物流費比率は、樹脂・化成品・合成ゴムともに前回調査よりも微減となり、各社のコスト削減努力が見られる。

しかしながら、依然として我が国製造業の平均と比べると高水準であり、継続して取り組んでいくことが望まれる。

四大樹脂の物流に係る商慣行については、全納入件数、全納入数量とも増加している中で、「小口納入」については改善の傾向を示したが、「納入頻度、受注時期、制約条件」については悪化している。

これら特殊取引に伴う増加コストは輸送コストを引き上げる要因となっており、引き続き、顧客への協力要請はじめ改善努力に取り組んでいく必要がある。

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