LNEWSは、物流・ロジスティクス・SCM分野の最新ニュースを発信しています。





物流・ロジスティクス・SCM分野の最新ニュースを発信

産業技術総合研究所/電気化学セラミックリアクターを用いNOxとPM同時除去に成功

2005年02月06日/未分類

独立行政法人産業技術総合研究所は、低エネルギーかつゼロエミッションでの作動が可能な、革新的な排ガス浄化用セラミックリアクターの実用化に向け、エネルギー効率の高いディーゼルエンジンの問題とされるNOxとPMの同時除去が可能な新しい電気化学セラミックリアクターの製造技術を世界で初めて開発した。

この技術によって、既存のフィルター方式とは異なり、酸素共存下でのNOx還元とPM酸化の連続同時浄化が可能な技術であるためディーゼル排ガス浄化等のゼロエミッションに向けた高効率モジュールの開発が期待できる。

エネルギー変換効率の高い内燃機関としてディーゼルエンジンが知られるが、温暖化や酸性雨の原因となる排ガス中のNOx分解と肺疾患等の原因となるPM除去技術が問題となっている。

これまで、セラミックリアクターの電気化学反応を利用し、高温排ガス中のNOxを酸素共存下でも選択的に浄化することに成功している。

エネルギーの有効利用として廃熱発電を利用する電気化学リアクターの作動についても報告している。本成果はディーゼルエンジン排ガス浄化へ利用する上で問題となる固体炭素のセラミックリアクターでの直接分解に関する技術。

産総研では電気化学セラミックリアクターでのNOx等の還元反応とともに、電極上での酸化反応に着目し、イオン伝導体セラミックスを利用したセルを作製し、固体炭素を直接酸化する技術を検討して来た。種々の材料を検討した結果、酸化反応電極として電界制御により酸素ラジカル生成を促進するアルミン酸カルシウム(Ca12Al14O33)等を用いる事により、効率的に固体炭素を直接分解することに成功した。

本研究成果によりNOxとPM等の分解が同じ電気化学リアクターで行えるため、これまでのDPFフィルター装置に代わる新しいディーゼル排ガス浄化システムの提唱が可能である。また、酸化還元等の制御が可能な化学工業プロセス等への利用といった多くの用途が期待できる。

今後の予定では、電気化学セラミックリアクターを利用して排ガス浄化等の酸化還元反応制御が可能である見通しを得、実機レベルでの特性向上を進めるとともに、有機物の電解酸化等の改質プロセスでの高効率酸化システム等の種々のリアクター用途への応用が期待できる。

問い合わせ
独立行政法人産業技術総合研究所
中部産学官連携センター
成果普及担当:長谷新司、吉田豊
〒463-8560名古屋市守山区大字下志段味字穴ケ洞2266-98
TEL052-736-7063、7064
chubu-kouhou@m.aist.go.jp

関連記事

未分類に関する最新ニュース

最新ニュース